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商用&OSSデータベースの現状と今後
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第6回:「バックアップとは何か」から見た、商用 vs OSSデータベースの違いとは?
著者:オフィスローグ 工藤 淳 2005/8/5
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24時間365日化と共にデータを失うことの重さが変わりつつある
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データベースの世界でバックアップというと、不可欠にして必須の技術の1つといわれている。当たり前といえば当たり前だ。データベースとは日々更新されるものであると同時に、いつかは必ず、それも予期しないときや肝心のときに壊れるものだからである。いつ発生するかわからない障害から貴重なデータを守るのは、データベース管理者の務めの中でも最重要課題の1つだといっても差し支えないだろう。
とはいうものの、バックアップは管理者にとっては大変つらい作業でもある。何しろ時間がかかるのである。もちろん全体バックアップをとるのは何回かに1度で、後は差分をマメにとっておけばよいという考えもあるだろうが、実際にデータベース管理に従事しているエンジニアにとっては、そんなキレイごとでは済まないのも事実だ。
なにぶん世の中のシステムは、こぞって24時間365日稼働が当たり前になりつつある。バックアップのためにシステムを停止させることが、日々困難な状況になりつつあるのである。
たとえバックアップの時間が確保できたとしても、大概データベースへのアクセスのない真夜中とか休日だ。しかも遅くまで残業してやっとバックアップの手順を整えたのに、翌朝来てみるとディスクの障害やテープ切れで失敗していて、朝一番からがっくり疲れた経験のある管理者も少なくないのではないか。
だからこそというか、バックアップには高価で優れた機能を備えた専用ツールが、専門のベンダーからいくつもリリースされている。有名な製品の1つに、VERITAS Backup Execがある。
これは複数のクライアントから同時にバックアップを取り、そのデータをそのままテープに落とすのではなく、いったんディスクに保存しておくことができるという、画期的な機能を持ったバックアップソリューションである。
どういうことかというと、障害発生時にもディスクから高速でリストアができる一方で、あらかじめ設定したスケジュールにそってディスクのデータをテープにコピーして保存して、ミッションクリティカルな稼働環境と確実なデータ保存を両立させられるのである。
図1:リモートオフィスで有効な形態
こうした発想の細かさなどは、やはり現代のシステム運用環境をシビアに見つめたバックアップ専用ツールならではだといえる。決して安価なツールではないが、データを失うことの意味の大きさを考えれば、それだけの投資価値はあるのだといえよう。
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著者プロフィール
オフィスローグ 工藤 淳
IT技術系出版社勤務を経て、オフィスローグとして独立。データベース関連誌編集に携わっていた流れで、現在もデータベース系の執筆が比較的多い。元々は楽器から建築、自動車まで何でも注文があれば書いてきたのが、気がついたらIT専門のような顔をして仕事をしているのに自分で少し驚愕、赤面。
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