第3回:仮想化技術とワークロード管理の評価ポイント (1/3)

サーバ仮想化
サーバ仮想化技術とその実践的評価ポイント

第3回:仮想化技術とワークロード管理の評価ポイント
著者:野村総合研究所  松本 健   2005/8/30
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サーバ仮想化技術の評価ポイント

   前回はサーバ仮想化技術の活用例について解説した。今回は、サーバ仮想化を実現する製品を導入する際の留意すべき点について解説する。第1回から解説しているように、サーバ仮想化技術と動的ワークロード管理の2つについて、その導入時の評価ポイントを示す。

   サーバ仮想化技術を利用するにあたり、仮想的なサーバを作ることに関しては、当然ではあるがどの製品も可能である。しかしワークロード管理を行う場合には、単に仮想的なサーバが構築できるだけではなく、いかに滞りなく物理サーバのリソースを自由に割り当てたり、解放できたりするかにも留意する必要がある。ここではこれらの留意すべきポイントを解説する。


動的なリソースの配分単位

   単一の物理サーバ内に存在する仮想サーバは、それぞれの仮想サーバごとに必要とする物理サーバのリソースを分割して利用する。リソースの配分方法も製品によって異なる。

   物理サーバのリソースの配分単位が、物理デバイス単位になっているタイプのものがある。例えば物理サーバがCPUを4つ持っている場合、最高でも4つの仮想サーバしか構成できず、それぞれの仮想サーバが物理CPUを1つしか持つことができないという製品も存在する。

   物理CPU単位の場合、仮想CPUの割り当て単位が物理CPUとなるため、4CPUを持つ物理サーバ上に3つの仮想サーバを構築した場合、そのうちの1つの仮想サーバが2物理CPUを使えることになる。つまり、サーバ負荷に応じて割り当てと解放できるCPUリソースが物理CPU単位となるため、きめ細かなリソース配分は難しく、仮想サーバの数も制限されてしまうことも考えられる。

   もう1つの方法は、物理の全リソースを全体に占める割合で各仮想サーバに割り当てることができるタイプがある。このタイプは物理サーバが持っているすべてのCPUの何%かを仮想サーバに割り当てるかという設定ができるため、物理CPUの数以上に仮想サーバを構築できるというメリットがある。加えて割り当てや解放も%単位で行えるため、よりきめ細かなワークロードに対応するリソース配分が可能となる。

リソース配分単位

図1:リソース配分単位
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


物理構成変更時の仮想化への影響

   各仮想サーバが稼動している時に、ピーク時間帯にある仮想サーバへのアクセスが集中し、サーバの処理負荷が増大し、現在のリソースでは対処し切れない場合、動的に物理リソースの割り当てを増やして正常に処理を続行しようとする。仮想サーバに割り与えられている物理リソースの配分を実行状態にある仮想サーバに対して、動的にリソースを変更するときの留意点として、配分変更の反映タイミングがある。

   理想的には物理リソースの配分の設定直後に変更されることが望ましい。CPUの配分方法にタイムシェアリング方式をとっているものが多いため、この反映は設定直後に実施されるものが多い。ただし、製品によっては仮想サーバに最低限のリソースとして半固定的にCPUやメモリ、NICのリソースなどを割り当てるため、配分変更後はリブートが必要なものもあるため注意が必要である。


ホストOS

   仮想サーバを構築する際に、仮想サーバそのものを制御するためのプログラムで、OSを必要とするものとそうでないものがある。仮想サーバを制御するプログラムをホストOSと呼び、物理サーバ上にインストールしておく必要がある。

   ホストOSを利用するタイプは、通常WindowsやUNIXなどを使用する。したがって、物理サーバのハードウェア構成や種類が異なっても、ホストOSが稼動すれば仮想サーバ製品がその上で動作することが保証される。ただし、実行時のホストOSのオーバヘッドを考慮する必要があり、またホストOSのライセンス料が発生することも考慮する必要がある。

   一方ホストOSが不要なタイプでは、仮想サーバ制御用にカスタマイズされた非常に軽量な独自のOSを利用することで、オーバヘッドを削減して高速に動作させることが可能である。

   ただし、ハードウェアの相性には留意しなければならない。前述のホストOSの場合は広く利用されている一般的なOSを使用するため対応するハードウェアは数多いが、専用にカスタマイズされたホストOSではベンダー側が稼動確認をして動作保障をしているハードウェアの数は限られている場合が多い。

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野村総合研究所株式会社 松本 健
著者プロフィール
野村総合研究所株式会社  松本 健
1994年早稲田大学大学院理工学研究科卒業後、同年野村総合研究所入社。現在、情報技術本部にてシステム基盤を中心とした新技術の調査・評価を行うITエンジニアとして活動。最近ではESB/BPM/ユーティリティコンピューティング/サーバベーストコンピューティング/RFIDミドルウェアなどの調査・評価を行っている。


INDEX
第3回:仮想化技術とワークロード管理の評価ポイント
サーバ仮想化技術の評価ポイント
  対応するゲストOSの種類
  動的ワークロード管理の評価ポイント
サーバ仮想化技術とその実践的評価ポイント
第1回 サーバ仮想化の背景と種類
第2回 仮想化技術の活用方法
第3回 仮想化技術とワークロード管理の評価ポイント
ブレードサーバによる仮想化テクノロジーの活用
第1回 x86サーバのコンソリデーションの課題と目標
第2回 ブレードサーバの仕組みと管理ツール
第3回 仮想化テクノロジーの動向と未来
オープンソースXenによるサーバ仮想化
第1回 仮想マシンとサーバ仮想化について
第2回 Xenでわかる仮想マシンソフトウェア
第3回 管理OSの構築方法
第4回 ゲストOSの構築方法

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