第1回:HAクラスタの基本とLifeKeeper (1/3)

LifeKeeperのすべて
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第1回:HAクラスタの基本とLifeKeeper
著者:サイオステクノロジー  羽鳥 正明   2005/11/17
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システムの信頼性を向上するアプローチ

   ここ数年、サーバシステムの低コスト化が顕著になってきており、IAサーバにいたっては手軽に導入できる数万円のものから、ストレージを含めて数千万円にもなる堅牢なものまで多種多様に存在するようになった。また64bitやデュアルコアなど、CPUの急速な進化もあり、それほどコストを掛けずに、ひと昔前では考えられなかったパフォーマンスを発揮するようになっている。

   アプリケーションについても、エンタープライズ用途に十分に使える商用ソフトも多くなり、またオープンソースソフトウェア(OSS)はIAサーバでの利用がかなり進んできており、イニシャルコストの削減に寄与しているのはご存知の通りである。

   そのためIAサーバは、部門サーバやフロントエンドサーバから基幹システムに至るまであらゆる用途で利用されてきている。またIAサーバに限らず、システムに重要な業務をさせるためには、導入する際に如何にシステムの持続性を確保し、たゆまない稼働を続けさせるかを考えなければならないのは当然のことである。

   最近はIAサーバであっても様々なパーツを二重化し、障害が発生しても自動的に予備に切り替えることが可能である。ただし、ハードウェアパーツの二重化を行うには最初からそのようなデザインのサーバを選択する必要があり、なおかつ自動的に切り替えを行うためには、かなりコストの高いサーバがどうしても必要になるので、IAサーバのメリットであるイニシャルコストの削減という意味がなくなってしまう。

   また、すでに稼働しているサーバに対しては、パーツの二重化というアプローチはデザイン上どうしても無理がある。特に導入時期が古いサーバほどデザインが古かったり、パーツが手に入らないなどの理由によって対応が難しくなる。

   IAサーバに搭載可能なハードウェアの冗長化の技術が高まったとはいえ、物である以上は障害の発生をゼロにすることはできない。

   例えば内蔵ハードディスクをRAID5のアレイ構成にしている状態で、ディスク障害があった場合に、スペアディスクを用意している間に別のハードディスクにも障害が発生する可能性がないとはいえないからである。

   また上記のようにハードウェアの信頼性を高めたとしても、オペレーティングシステムやその上で稼働するアプリケーションがトラブルに見舞われることはよくあるため、ハードウェアとは別の角度から信頼性の向上をはかる必要がある。そこで比較的多く取り上げられるソリューションがクラスタシステムである。


クラスタシステムとは

   クラスタシステムといっても様々な仕組みで稼働するものがある。

   クラスタシステムとは一般的には、いくつものサーバをあたかも1つのサーバのように稼働させるシステムを指す。

   用途としては大きく2つあり、1つは複数のサーバを並列的に配置し、負荷分散を行うことでパフォーマンスの向上をはかるシステムである。HPC(High Performance Computing)、パラレルコンピューティング、グリッドコンピューティングなどがこの部類に入る。

   もう1つは、本連載の主旨であるスタンバイサーバを用意してシステムの信頼性を向上するためのハイアベイラビリティクラスタ(HAクラスタ)である。

   「ハイアベイラビリティ」はよく「高可用性」という日本語に当てはめられるが、この「高可用性」という言葉は一般的には馴染みの低いものだと筆者は常々思っている。やわらかく表現すれば「使うことのできる時間がより長い」システムであろうか。

   この「高可用性」をデータとして評価するには、システム故障が生じるまでの平均時間(MTBF:Mean Time Between Failure)と、システムに故障が生じてから復旧までの平均所要時間(MTTR:Mean Time To Repair)で行う。つまりこの2つの数値がよいほど「高可用性」といえる。

   そして、この数値をよくするためのアプローチがHAクラスタである。HAクラスタを構築する際には、ごく一般的なIAサーバ・ストレージ・ネットワーク・専用のHAクラスタソフトウェアの組み合わせで行うことが多い。HAクラスタは「一般的な」ハードウェアで構築することが可能なため、比較的導入しやすくしかも信頼性を大幅に向上させるためにはよいアプローチである。

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リファレンスサイトの紹介
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■LifeKeeper製品詳細情報
http://www.10art-ni.co.jp/product/lifekeeper/

■SteelEye Technology Inc.(開発元)
http://www.steeleye.com

■LifeKeeperに関するお問合せ
https://www.10art-ni.co.jp/contact/form-lifekeeper_ssl.html
サイオステクノロジー株式会社 羽鳥 正明
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  羽鳥 正明
インフラストラクチャービジネスユニット マーケティング部 マーケティンググループ グループマネージャー
1991年、日本ユニシスに入社、PCのマーケティングとして米国ユニシスのリエゾンを経験。その後コンパックコンピュータにてIAサーバのマーケティングを担当。現在はサイオステクノロジーにてLinuxならびにOSSのマーケティングを統括。


INDEX
第1回:HAクラスタの基本とLifeKeeper
はじめに
 HAクラスタの基本的なコンセプト
 SteelEye LifeKeeperとは
LifeKeeperのすべて
第1回HAクラスタの基本とLifeKeeper
第2回LifeKeeper for Linuxのインストール
第3回LifeKeeper for Linuxの操作
第4回LifeKeeper for Windowsのインストール
第5回LifeKeeper for Windowsの操作(前編)
第6回LifeKeeper for Windowsの操作(後編)
第7回共有ファイルシステム「LKDR」と「DRBD ARK」
第8回MySQL/OracleとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第9回LifeKeeperのコマンドライン操作
第10回Microsoft SQL ServerとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第11回LifeKeeper Data Replication For WindowsとDisk-to-Disk Backup
第12回様々なアプリケーションのHAクラスタ化を実現するGeneric ARK
第13回ハードウェア冗長化
第14回LifeKeeperの管理 - ログの確認方法とSNMPの設定
第15回LifeKeeperの今後のロードマップと展望
徹底比較!!クラスタソフトウェア
第1回クラスタソフトウェアの導入にあたって
第2回日本が生んだ、ビジネスを守る信頼のブランド「CLUSTERPRO」
第3回GUI操作だけでHAクラスタが構成できる「LifeKeeper」
第4回企業情報システムとともに進化するClusterPerfectシリーズ
第5回富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER」
第6回Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ
第7回Red Hat Cluster Suiteの紹介
第8回Windows Serverにおけるクラスタソフトウェアの進化
第9回オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」によるHAクラスタ
第10回クラスタソフトウェア導入に際しての注意点
HAクラスタソフトウェアの市場動向
市場からみるHAクラスタソフトウェアの採用動向

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