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第4回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングを支える仕組み
著者:イースリー  戸辺 淳一郎   2006/4/20
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SNSのエンジンの中身

   前回まではマーケティング中心のお話を進めてきましたが、今回はそのマーケティングを支えるエンジンの中身に関して技術的な側面から見ていきます。なお日記や友だちページなどの標準的な機能については、説明を省略させていただきます。

   今回の説明から、表面的に見える機能の裏側でいったいどういうことが考慮されてエンジンができあがっているのかを知っていただきたいと思います。あわせて開発の現場を少し紹介いたします。マーケティングを実践するにあたり、SNSエンジン選定の参考にしていただければと思います。


フレームワークの利用

   それでは、comnitを例に取り上げてSNSエンジンの技術的な側面を説明していきたいと思います。「第1回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングとは?」で紹介したように、SNSに必須の機能は次のようになります。

日記 自分の近況や、思ったことを自由に書く
友だち 自分とのつながりを持ったユーザを見る
グループ 自分と趣味や嗜好があうミニコミュニティに参加する
メッセージ 会員間だけで行えるメールの送受信を行う
訪問履歴 自分に興味を持ってくれた人を知る

表1:SNSに必要な機能(再掲)

   表1を見るとSNSエンジンはとてもシンプルな機能構成に見えます。しかし今まで解説してきたマーケティングの実践手法からわかるように、SNSを利用したマーケティングと一口にいっても方法は多岐に渡ります。コミュニティ自体も生き物のように想像できないような発展を遂げることがあり、その時は固定の機能だけでは対応できないことが多くなるのです。

   そこで、comnitはベースの機能をフレームワークという形で構築することにしました。筆者の所属する株式会社イースリーの持っているPHPのフレームワークをベースに株式会社ラソナの持っているSNSの機能を実装していくことで、柔軟性の高いSNSエンジンを実現しました。

   フレームワークの特長は表2の3点です。

  1. デザインとロジックの完全分離
  2. 機能のグループをクラスモジュールとして管理
  3. 機能の詳細をAPIとして実装

表2:フレームワークの特長

   また、図1にフレームワークの概念図を示します。

フレームワークの概念図
図1:フレームワークの概念図

   ここから表2の各特長について説明していきます。

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製品紹介
「SNSエンジン、comnit(コムニット)」
本連載は株式会社イースリーおよび株式会社ラソナの開発したSNSエンジン、comnitの利用ケースをもとに記事を掲載しています。

comnitで作り上げたコミュニティを生かして、お客様のマーケティング手法に合わせた実践的なケースをご紹介いたします。

詳細はコチラ
http://www.comnit.jp/
http://www.e-3.jp/
株式会社イースリー 代表取締役CTO 戸辺淳一郎
著者プロフィール
株式会社イースリー
代表取締役CTO   戸辺淳一郎

2003年8月にイースリーを設立。Webシステム構築の請負、パッケージ開発を行うかたわら自社サービスの展開を目指している。Webアプリの開発の現場においては、最高の品質を提供できるようにすることを追求している。現在では主にプロジェクトマネジメントに携わっているが、現場の技術から離れないように、毎日趣味でのプログラミングも欠かさない。毎日何かを吸収しないと気がすまない。

INDEX
第4回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングを支える仕組み
SNSのエンジンの中身
  1. 完全自由にできるデザイン
  既存機能と追加機能との連携
  既存機能から新機能にアクセス可能とするトリガーの仕組み