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Linux/OSSの導入実態と今後の展望 |
第2回:Linuxの導入状況と基幹システムへの導入意向
著者:矢野経済研究所 入谷 光浩 2005/4/20
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Linuxの導入状況
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第1回ではオープンソースソフトウェア(以下OSS)全般に関する調査結果について解説したが、今回はOSSの代表格であり、日々世間の注目を集めているLinuxの調査結果について分析・解説を行っていく。
LinuxはWebサーバや部門サーバなど、比較的ローエンドなサーバで構成される中小規模な情報系システムでは導入が進んでいると言われているが、財務会計や販売管理、生産管理など、企業の日々の業務を支える基幹システムへの導入が課題となっている。今回はLinuxの導入状況を明らかにするとともに、Linuxの基幹システムへの導入について、ユーザがどのような意向を持っているのかも分析していきたい。
まずは企業や公共の情報システムにおけるLinuxの導入状況について質問したところ、Linuxを導入しているユーザは27.6%という結果となった(図1)。既にOSSを導入しているユーザだけで見ると、Linuxを導入しているユーザは86.3%を占めており、OSS導入ユーザのほとんどはLinuxを導入している状況である。
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図1:Linuxの導入状況と今後の導入意向
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その一方で、同じオープンソースOSであるFreeBSDの導入率はわずか2%という結果が出ているのも現状である。業種別の導入率では、第1回で述べたOSS全体で見た場合と同様の傾向にあり、50%以上の導入がある公共を筆頭に、サービス業、組立製造業の順になっている。
反対に、最も低い導入率は金融・保険業で15%以下となっており、まだまだLinuxに対しては慎重な見方をしているようである。また、企業規模別で見てもOSS全体と同様であり、年商、従業員数に比例して導入率が高くなっていく傾向は変わらない。
今後のLinuxの導入意向としては、「導入を検討中」が3.6%、「今後の導入に興味がある」が25.6%となった。これらと導入済みを合わせると50%以上を占め、半数以上のユーザがLinuxの導入に対して前向きに捉えていると言える。
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Linuxが導入されているシステム
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次に27.6%のLinuxユーザに対し、どのようなシステムでLinuxを使っているかを質問した。その結果、WebサーバやメールサーバなどのWeb系システムでの使用が圧倒的に多く、83%という結果となった(図2)。
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図2:Linuxが導入されているシステム(複数回答可)
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次に多かったのがファイル/プリンタサーバの36.9%となっている。この結果からわかるように、Linuxの大半はWeb系システムや部門サーバなど、いわゆるエッジ系領域での導入が多い。このような結果は調査前からある程度想定していたものではあったが、その一方で情報システムの中核をなす基幹系業務システムにおいては10.2%と低い結果となった。
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書籍紹介
「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」
本記事は矢野経済研究所より発刊されている「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」から抜粋し、加筆、修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。
ご購入はコチラ
http://www.yano.co.jp/mrnew/2005/01/C46112400.html
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著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所 入谷 光浩
民間総合調査会社である矢野経済研究所のITリサーチ部門にて、サーバやミドルウェアを中心としたエンタープライズコンピューティングのリサーチを担当。近年はエンタープライズにおけるOSSの市場動向に着目しリサーチを行っている。
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