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Linux/OSSの導入実態と今後の展望 |
第2回:Linuxの導入状況と基幹システムへの導入意向
著者:矢野経済研究所 入谷 光浩 2005/4/20
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Linuxの入手方法
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LinuxはOSSであり、商用ソフトウェアとは違い入手する手段は様々である。そこでLinuxを導入しているユーザに対し、Linuxをどのように入手しているかについて質問を行った。
その結果、ベンダーからパッケージを購入しているケースが最も多く52.8%となった(図3)。そして次に多いのが、独自にWeb上からダウンロードしているケースで37.5%となっている(この結果には両方の手段を用いているケースも含まれている)。
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図3:Linuxの入手方法(複数回答可)
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ベンダーのパッケージの購入が多いという理由には、サポートサービスが受けられるからという背景がある。サポートも無しに、独自にコミュニティサイトなどからダウンロードして社内システムに組み込むことに対する不安が、パッケージの購入につながっているのではないかと考えられる。
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Linuxの基幹システムへの導入意向
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前述したように、LinuxはWebサーバなどエッジ系領域ではシェアを獲得しつつあるが、基幹系業務システムへのLinux導入はまだまだ少ない。Linux導入ユーザにおいては10.2%、全回答者で見ると約3%の導入率でしかない。しかしLinuxの次のステップとしては基幹系業務システムへ導入し、確固たる実績と信頼を獲得していくことである。すでに金融関係ではいくつか導入事例も出てきている。
そこでLinuxの基幹系業務システムへの導入可能性を検証するために、Linux未導入ユーザも含めた全回答者に対し、今後の導入意向についての質問を行った(図4)。
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図4:基幹系業務システムへのLinux導入意向
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その結果、「既に導入を検討中」が6.8%、「今後の導入に興味がある」が33.3%となり、合わせて約40%のユーザが基幹系業務システムへのLinux導入意向を示している結果となった。裏を返せば60%が導入意向はないという結果とも取れるが、ここでは40%が導入意向を示したことに評価をしたい。Linuxに対する実績と信頼が得られてきている証拠であり、今後の基幹系システムへの導入に期待が持てる結果である。
これを業種別に見ると、サービス業と公共では10%以上のユーザが既に検討中となっており、公共では基幹Linuxが徐々に具体化してきている。また、Linuxの導入率が最も低かった金融・保険業においては、「導入に興味がある」が約45%となっており、業種中で最も高い結果となっている。銀行で導入事例が出ているように、金融業で求められるミッションクリティカルな業務にLinuxを導入していこうという姿勢が表れているようである。
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書籍紹介
「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」
本記事は矢野経済研究所より発刊されている「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」から抜粋し、加筆、修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。
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http://www.yano.co.jp/mrnew/2005/01/C46112400.html
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著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所 入谷 光浩
民間総合調査会社である矢野経済研究所のITリサーチ部門にて、サーバやミドルウェアを中心としたエンタープライズコンピューティングのリサーチを担当。近年はエンタープライズにおけるOSSの市場動向に着目しリサーチを行っている。
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