オープンで柔軟性があるクラウドサービスに進化したWindows Azure

2012年7月13日(金)
田口 一博小木 ナツキ

マイクロソフトのWindows Azureについて、「興味はあるけどPaaS(Platform as a Service)だけかぁ」、「OSはWindowsのみ?」といった理由から、これまで様子見だった人も多いかもしれません。そんな方々に朗報です。

既にニュースやブログ、セミナーなどでも多数紹介されていますが、2012年6月6日(米国時間)、大規模なアップデート(通称:Spring Release)が行われました。

今回のアップデートではIaaS(Infrastructure as a Service)が提供され、WindowsだけでなくLinux系ゲストOSも利用できるようになったのが大きなポイントです。また、より簡単に.NET、Node.js、PHPのWebサイトを公開できる「Webサイト」も提供され、気軽にはじめられる環境も整いました。

そのため、今まで使っていた人はもちろん、これまで使っていなかった人の中にも、気になっている人が増えていると思います。

今回の記事では、開発者のみなさんに、Previewとして提供されているサービスも含めて、仕事仲間の小木ナツキと一緒に最新のWindows Azureをご紹介していきます。

新しいWindows Azure教えてください!

  1. [小木] 田口さーん、またWindows AzureでWebアプリケーションの開発をしようと思っているんですけど、機能が多くて一人じゃよくわからないというか…、ちょっと説明お願いします!
  2. [田口](久しぶりに来た!)はは、最近アップデートがあったしね。では、開発者に関連性のあるサービスを中心に、Windows Azureが提供するサービスや機能、開発環境の準備、はじめるためのポイントを説明していこう。

Windows Azureが提供するサービスや機能

新しくなったWindows Azureでは、IaaSやPaaSのコンピューティング、データ管理としてデータベースやストレージの他、CDNやキャッシュなどの豊富な機能を提供しています。また、オンプレミスとWindows Azure を接続するネットワーク機能も提供されています。

コンピューティング

  1. [田口] 最初はアプリケーションなどを置いて、動かす場所「コンピューティング」の機能と特徴から説明していこう。
機能 形態 特徴
クラウドサービス PaaS 修正プログラムやインフラについては、マイクロソフトに管理を任せて、99.95% の月次 SLA でサポート。ミドルウェアも制限はあるが使用できます。
仮想マシン IaaS カスタマイズしたWindows Server、Linux イメージや、ギャラリーからOSイメージを選択。OSを含めたソフトウェアの管理をサービス利用者が行えます。
Webサイト PaaS ASP.NET、PHP、Node.js で構築したWebサイトをFTP、Git、TFS、Web Deployなどを使用してすぐに配置。共有と予約のインスタンスがあり、共有インスタンスは無料で試すことができます(※1)

(※1)現時点ではアカウントによっては、予約を選択できない可能性があります。

  1. [小木] 仮想マシンが一番できることが多いので、いろいろ使えて便利そう!(うーん..)他のサービスを使う必要ってあるのかな?
  2. [田口] あるよ。便利そうに見えるけど、物理環境に比べれば楽とは言え、IaaSである仮想マシンはOSなどのインフラ部分の運用・保守が増えるからね。その分、手間がかかり、アプリの開発時間や遊ぶ時間が減ってしまうだろ。
  3. [小木](遊ぶ・・・?学習じゃなくて?)あと、Webサイトは、WordPress、Joomla!、DotNetNuke、Orchardなどのアプリケーションを数クリックの作業だけでAzure上に公開できるんですよね。これは便利そう!

図1:Webサイト - Webアプリケーションギャラリー
スカイコード株式会社

主にマイクロソフトの技術を中心としたプログラマ兼システム管理者兼コンサルタント兼雑務係として従事。Microsoft Azureで少しでもラクに楽しく生きていこうと企む毎日。基本怠け者。

株式会社タクシーサイト

タクシーサイト開発担当。業務システムの開発に4年間従事。PHP、Object Pascal、C#などでプログラムの基礎の基礎を学び、その後他業種へ転職。ブランク後現在の会社に入社し、クラウドを一から勉強中。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています