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勝ち組に学ぶシステム導入事例
第4回:Ajaxを使った顧客主体の楽しいサービス
著者:
HOWS 山本 修平
2006/5/24
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Ajax活用による効果
前述のとおり、Ajaxを適用した理由はおもに次の2点である。では実際にAjaxを適用した結果どうだったのか。
既存コンポーネントの利用で開発期間の短縮が見込める
顧客がリピーターになるようなユーザインターフェースを実現したい
表1:Ajaxを適応した理由
コンポーネントによる開発期間の短縮
開発に着手したのは2005年12月後半。まずはデモのレビューであがった問題点や新たな要望をふまえてコンポーネントのカスタマイズを行い、カスタマイズされたコンポーネントを組み込んだデモで再びレビューを行う、という作業を何度か繰り返した。
その後、ユーザインターフェースの仕様が完全に固まってから、実際にアプリケーションの実装を開始した。このときすでに2006年1月半ばだったが、テストも含めおよそ2週間で実装は完了した。既存コンポーネントの活用により、トータルでの開発期間も大幅に短縮できた。
また、すでに他のシステムで使われてきたコンポーネントも多く、技術的な問題や不具合はほとんどなかった。
あまりに開発期間が短かったため、ヤマトリースの担当者を不安にさせる場面もあったが、実際のアプリケーションと同じように動くデモで何度かレビューをしていたため、最終的に完成したアプリケーションと、仕様の捉え方や操作性のイメージにほとんどズレがなかった。
このように、既存コンポーネントの利用により、開発期間を短縮できただけではなく不具合の減少や動作イメージのズレの防止などにもつながった。
図4:開発スケジュール
動的なユーザインターフェース
顧客が利用するページでは、動きのあるインターフェースの評判は上々で、アクセス数は日々増加している。営業担当者が買い手を探すのもかなり楽になり、ヤマトリースの営業所の評価も高い。サイトのβリリース時に出品されたトラックはほとんど完売した。
また、コンポーネントを組み込む方法は、独自のフレームワークなどは置かずに直接必要なコンポーネントだけをクライアントサイドとサーバサイドのそれぞれに埋め込むような形である。この方法だと余計な処理がほとんど発生しないため、動的なページが非常に軽快に動作する。
Ajaxによって実現された「使って楽しい」システムは、顧客とヤマトリースの双方に狙い通りの効果があり、サービスは好調なスタートを切ることができた。
おわりに
このサービスでは、ヤマトリースの狙いと顧客である運送会社のニーズと開発会社の得意分野がうまくマッチして三者三様にメリットをもたらすことができた。当初からの企画では、現在営業担当者が代行しているいくつかの処理を、顧客が単独でも行うことができるようになっていた。ヤマトリースは今後さらにこのサービスを顧客が積極参加できるシステムへと発展させるべく、すでに動き出している。
まだオープンしたばかりの中古物件紹介サイトはWeb 2.0に向かって進化し続ける。
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株式会社HOWS
HOWSはAjaxおよび部品化技術をエンドユーザ、ソリューションベンダーなどに提供。また、HOWSの技術を通して、エンドユーザ、ソリューションベンダーとの共同開発などもおこなっています。
HOWSについて
http://www.hows.ws/
著者プロフィール
株式会社HOWS 山本 修平
Webアプリケーションの受託でJavaによるサーバサイドの開発に従事。その後、初心に帰ってJavaScriptを1から勉強し直していたところAjaxと遭遇、現在に至る。
INDEX
第4回:Ajaxを使った顧客主体の楽しいサービス
はじめに
Ajaxを適用した理由
非同期のデータ更新
Ajax活用による効果
Ajaxが開く未来
第1回
Ajaxとは
第2回
AjaxアプリケーションとクラシックWebアプリケーションの違い
第3回
Web 2.0とAjaxの関係
第4回
Webアプリケーションの進化とシステムの利用形態の変化