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ITコスト評価インデックスとITコストベンチマーキング
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第4回:ユーザ企業がIT投資を評価するポイント
著者:日本情報システム・ユーザー協会   2006/5/17
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財務価値上での評価

   現在、最も重要視されている評価の視点であり、売上向上、利益向上、資金リスク回避などの直接的な金額で明確化することができる。一般的に、IT投資効果として利用される視点であり、投資回収期間、投資利益率(ROI)などが評価値として利用されている。
企業IT投資戦略の評価 2/引用:EMシステムコンサルティング
表2:企業IT投資戦略の評価 2
引用:EMシステムコンサルティング
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   BSC(バランス・スコア・カード)がもう1つの視点でもあり、前年対比などによるベンチマーキングを行うことで活用されている。


顧客価値上での評価

   現在、顧客満足獲得が叫ばれている中で、重要視されている評価の視点であり、BSCにおける顧客の視点に対応するものである。新規顧客開拓、既存顧客囲い込み、サービス満足度向上等の評価ポイントから分析し、前年対比によるベンチマーキングで評価することになる。

   サービス満足度は各顧客からのアンケート調査の結果などから分析評価することになり、そのデータ収集母集団によりデータの持つ意味が変わりデータの信憑性を含めて評価判断が困難となるケースが発生する。

   可能な限り、顧客密着度合、顧客忠誠度合などを把握し、顧客満足度に変わる指標を作ることがマーケティング&セールス上で必要であり、営業部門の活動成果と連携して進めることが肝心である。


パートナー価値上での評価

   現在の事業展開では、ビジネススピードが重視される。このため、パートナーとの連携により事業成果を迅速に獲得できる仕組み作りに注目が集まっている。パートナーとの連携によるコストダウン、納期短縮などを通じたシナジー効果の追求を通じてパートナー満足度を高めることが必要である。

   これは、BSCにおける顧客の視点の範囲であるが、ここでは情報システム上の機能からは顧客(納入先)とパートナー(仕入先)に分けて評価することにした。顧客の視点からと同様にパートナーの視点からの価値評価を各企業とも検討中であるケースが多く、具体化に足踏みしていると見られる。

   パートナーとお互いに「取引コスト」、「取引スピード」、「品質確保」などで効果を把握し、評価することを調達部門、業務部門、事業企画部門での活動成果評価と連携して進めることが必要である。

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社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
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日本情報システム・ユーザー協会
社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
ユーザーの立場からの産業情報化の推進を目的とし、大手ユーザー企業を中心に、約250社の会員を擁し、経営とITに関する様々なテーマや、立場に応じた40以上の委員会、研究会、研究プロジェクトを実施し、毎年、各種調査・研究報告書の刊行や、提言を行っている。1962年、日本データ・プロセシング協会として創立、1992年社団法人日本情報システム・ユーザー協会として、全面的に拡充改組。
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