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OSS業務システム
オープンソースで構築する業務システム特集

第9回:国産オープンソースCRM「SalesLabor」、FAQシステム「QuestionLabor」
著者:ネットワーク応用通信研究所  山崎 裕美   2006/07/27
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複数回答や集計など現場にあわせた機能

   顧客の1つの質問に対して、回答が1つであるとは限りません。そのため、QuestionLaborでは1つの質問に対して複数の回答がつけられます。「とり急ぎ回答」した後に「正式回答」をしたり、「別の回答」を用意できたりと実際の業務にのっとったシステム構築が可能となります。

   そして利用者のグループ化や公開/保護レベルが細かく設定できるようになっているため、複数回答を用意して「関係者間だけの回答」「表向きの回答」といったものも作れます。なお、アクセスログのランキングを集計し、グラフ表示することもできます。
QuestionLaborのアクセスログ画面(Webクライアントの場合)
図4:QuestionLaborのアクセスログ画面(Webクライアントの場合)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   また質問回答を入力する際には、標準搭載されているHTMLエディタを利用することができるため、回答内に図表の挿入やHTMLページの体裁を整形したりできます。


Laborシリーズの展望

   Laborシリーズは実用に耐えうるシステムではありますが、現在のところ「スカンクワーク(企業の業務とは別に社員が行う仕事。シリコンバレーの企業において広く伝わっている)」の1つでしかありません。そのため開発力に限りがあり、機能や品質も十分であるとはいえません。

   しかし、「業務にあわせた」「日本の慣習にあった」システムという基本コンセプトは押さえました。特に「日本の」という点においては、他の「海外製システムの日本語版」よりも進んでいる点であり、かゆいところに手が届く細やかなシステムであると思います。まだまだ開発の余地がありますので、今後はさらにこの方向に磨きをかけていきたいと考えています。

   「SalesLabor」と「QuestionLabor」はまだまだ進化を続けているオープンソースソフトウェアですが、基本機能は押さえているので中堅・中小企業においての利用では充分だと思います。また、「SalesLabor」「QuestionLabor」の他にも「代替させたい単調かつ単純な労働」を行うシステム開発して、そのラインアップを充実させていこうと考えています。

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株式会社ネットワーク応用通信研究所  山崎 裕美
著者プロフィール
株式会社ネットワーク応用通信研究所  山崎 裕美
2003年4月にネットワーク応用通信研究所に入社。「SalesLabor」「QuestionLabor」の開発を担当し、現在はOSS応用推進グループに所属して社内外のオープンソース業務システムの開発を行っている。


INDEX
第9回:国産オープンソースCRM「SalesLabor」、FAQシステム「QuestionLabor」
  業務システムをオープンソースとする理由
  製品名の「Labor」に込められた理念
  日本の商習慣に完全対応しているCRM「SalesLabor」
複数回答や集計など現場にあわせた機能