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EIP
企業情報ポータルによるアプリケーション統合

第1回:なぜ今、EIPなのか
著者:みずほ情報総研  平古場 浩之   2006/7/3
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ユーザ企業がITに求めているもの

   企業を取り巻く外部環境は一時期の厳しさこそ薄まりつつあるが、今後も変化の勾配が緩むことはないだろう。企業はこうした状況に対応して勝ち残っていくために、把握した現状分析と経営戦略に基づいて、プロアクティブな組織改編やビジネスプロセスの改革を実行していかなければならない。

   日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)の最新の調査では、これまで上位を占めていた「コスト削減」「社内コミュニケーション・情報共有の強化」「経営トップによる迅速な業績把握、情報把握」などに変わって、「業務プロセス・システムの再編」が今年度におけるIT投資目的の最上位にあがっている。

IT投資の目的・期待/出典:JUAS「ユーザ企業IT動向調査2006」
図2:IT投資の目的・期待
出典:JUAS「ユーザ企業IT動向調査2006」
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ダウンサイジングなどによるITコストの削減、あるいはグループウェアなどの導入によって情報共有インフラが整備され、1990年代から続いた従来型のIT投資が一応の結果をだした。これからは、経営戦略や事業戦略に基づいて柔軟に対応できるようなシステムの高度化が求められているのである。


利用部門の要望に応えられないシステム

   一方で、経営側が思い描く変革に対して企業組織が十分に対応できない場合もある。具体的な阻害要因は数多く考えられるが、その中の1つに情報システムをあげる企業も少なくない。

   システムの現状を考えてもらいたい。これまでホストコンピュータを中心にシステムが構築されていた時代から、オープン系システムへのダウンサイジングが進められてきた。その結果、多くの業務システムが現在部門や業務ごとに分散している。

   確かに個々の業務生産性の向上とITコストの削減は、ある程度達成されたといえるだろう。ただし当時の設計思想には、システムの大規模な変更や他のシステムとの連携が想定されておらず、インターフェースも用意されていなかった。

   ビジネスプロセスの変更が発生するたびに、情報システム部門は「システム同士をどのように連携するべきか」について頭を悩ませている。実現方法がいくつかあっても、その解決手段を採用した場合、他のシステムへの影響や具体的な開発・移行計画を明確にできず、開発に着手するだけでも相当の時間がかかってしまうのが現実だ。利用部門がシステムの柔軟性に対して懐疑的な理由には、このあたりのもどかしさから生まれているのではないだろうか。

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みずほ情報総研株式会社 平古場 浩之氏
著者プロフィール
みずほ情報総研株式会社   平古場 浩之
システムコンサルティング部コンサルタント
システム開発部門でのSE経験の後、社内システム企画部門、EIP事業企画を経て2003年から現職。現在はナレッジマネジメント、情報共有に関連するコンサルティング業務のほか、EIPやECM(企業コンテンツ管理)、SNS(ソーシャルネットワーク)などのICTツール動向の調査などを担当している。


INDEX
第1回:なぜ今、EIPなのか
  企業情報ポータル(EIP)とは何か
ユーザ企業がITに求めているもの
  解決策はあるか
  新しいプラットフォームとしての期待