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Red Hat Enterprise Linux 5
Red Hat Enterprise Linux 5サーバ管理の基礎

第2回:最低限知っておくべきネットワークサービスの構築手順

著者:日本ヒューレット・パッカード  古賀 政純   2007/6/19
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Apacheの稼動を確認する

   httpdサービスは正常に稼動していれば「/var/www/html」以下に生成したtest.htmlにアクセスすることができるので、クライアントのWebブラウザを使ってテストしましょう。まずはサーバだけでテストします。サーバ自身に対してtest.htmlをHTTPで提供できるかをテストします。

   これには「linksコマンド」を利用します。これはコマンドラインによるCUI環境で、http経由でのファイルの取得を可能にするツールです。利用方法は、下記のようにURLを指定します。
# links -dump http://172.16.10.50/test.html

   ここではApacheのIPアドレスは「172.17.3.50」です。DocumentRootは「/var/www/html」なので、その直下にあるtest.htmlファイルを指定したい場合は、URLがhttp://172.16.10.50/test.htmlになります。

   これを実行してWebコンテンツであるtest.htmlが表示されれば、Webサーバの基本機能であるWebコンテンツの配信機能は稼動していることがわかります。図1の例ではlinksコマンドの出力としてtest.htmlファイルの内容が表示されており、Webサーバが正しく稼動していることがわかります。

   次にサーバ上にあるWebブラウザでも確認しておきましょう。Red Hat Enterprise Linux 5には、FireFoxが標準添付されていますので、これを使ってtest.htmlファイルにアクセスして表示されるかを確認します。図2のように、Webブラウザにtest.htmlファイルの内容が表示されていれば、Webサーバは正しく稼動しています。

FireFoxで動作を確認する
図2:FireFoxで動作を確認する
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   以上でWebコンテンツtest.htmlファイルの配信が行えるようになりました。ここではWebコンテンツのファイル名がtest.htmlですので、明示的にURLに指定すると表示されました。ではIPアドレスだけ指定した場合はどのような表示があるのでしょうか。その場合は、Apacheのテストページが表示されます。

   もしテストで作成したコンテンツをindex.htmlとした場合、テストページではなくindex.htmlのファイルの内容が表示されるようにhttpd.confファイルに設定されています。テストページが表示されるかもあわせて確認しておくほうがよいでしょう。


テストページの表示に関する注意

   Webコンテンツの配信テストでは、テストページが表示されるかを確認しましたが、実際の本番システムでは表示されないようにするのが一般的です。これはテストページを表示してしまうと、そのサーバのOSの種類やサーバ名、Apacheのバージョン番号までわかってしまうため、クラッカーの標的にされる可能性があるためです。従って本番環境では、テストページを表示しないように設定しておいてください。この設定方法については、ご自身でチャンレンジしてみてください。

テストページの例
図3:テストページの例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ここまでApacheによるWebサーバ構築の最低限の手順を紹介しました。これ以外にもApacheには様々な機能があり、環境によっては追加モジュールの設定やアプリケーションサーバとの連携など様々な設定が必要になります。しかし先述の最低限の設定項目だけ押さえておけば、とりあえずはWebサーバを利用することができるのです。この機会に、Webサーバ管理者の第一歩を踏み出してみてください。


Apacheにおいて最低限知っておくべき項目

  • Red Hat Enterprise Linux 5に付属するデフォルトの/etc/httpd/conf/httpd.confファイルでWebサービスが提供可能
  • httpd.confファイルのDocumentRootは/var/www/htmlがデフォルト
  • service httpd startでWebサービスが起動する
  • コマンドラインのブラウザであるlinksコマンドを使って確認せよ
  • Webブラウザを使ってコンテンツが表示できるか確認せよ
  • 本番環境ではApacheテストページやバージョンなどが表示されないよう設定変更せよ

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


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第2回:最低限知っておくべきネットワークサービスの構築手順
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