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Red Hat Enterprise Linux 5
Red Hat Enterprise Linux 5サーバ管理の基礎

第2回:最低限知っておくべきネットワークサービスの構築手順

著者:日本ヒューレット・パッカード  古賀 政純   2007/6/19
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最低限知っておくべきネットワークサービスの構築手順

   Red Hat Enterprise Linuxでユーザの追加やシステムの起動/停止が行えても、肝心のネットワークサービスを提供するサーバを構築できなければRed Hat Enterprise Linuxをインストールした意味があまりありません。今回は代表的なネットワークサービスを構築する最低限の手順を紹介します。
ネットワークサービス サービス概要
Apacheサーバ HTTPサービスを提供するWebサーバ
Sambaサーバ SMBプロトコルによるファイル共有サーバ
Vsftpサーバ FTPによるファイルサーバ
NFSサーバ NFSによるファイル共有サーバ

表1:Red Hat Enterprise Linuxにある代表的なネットワークサービス

   今回解説する手順は、これだけ知っておけばサービスの開始はできるというレベルのもので、サーバ管理入門者が最低限知っておくべき内容です。実際にはファイアウォールやアクセス権限、暗号化などの細かい設定が追加で必要になりますが、今回はまず基本的なネットワークサービスを起動し、クライアントにサービスを提供できるようになるまでを紹介します。


Apacheの構築

   Red Hat Enterprise Linuxに含まれるApacheは、すでに基本的な設定項目が設定済みの状態になっており、サービスを起動するだけで利用できるようになっています。ここではApacheを起動させWebサーバを構築する最低限の手順を述べます。


最低限必要なApacheの設定

   まずApacheサービスの状態をserviceコマンドで確認します。

# service httpd status

   Red Hat Enterprise Linux 5を起動した直後は「httpdは停止しています」というメッセージが出ます。これはデフォルトでhttpdサービスが起動するように設定されていないことを意味します。まずhttpdサービスが起動していないことを確認し、次にApacheの設定ファイルであるhttpd.confファイルを編集します。このとき、「DocumentRoot」という文字列が含まれているかを確認します。

# grep "DocumentRoot" /etc/httpd/conf/httpd.conf

「DocumentRoot」という文字列が含まれているかを確認
図1:「DocumentRoot」という文字列が含まれているかを確認
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   Red Hat Enterprise LinuxのデフォルトではDocumentRootに「/var/www/html」が設定されており、付属しているhttpd.confファイルでWebサーバを起動することが可能となっています。したがってDocumentRootに設定されたデフォルトのディレクトリ「/var/www/html」ディレクトリ以下にWeb公開用コンテンツを配置するだけで、クライアントからWebブラウザ経由でWebコンテンツにアクセスすることが可能です。

   今回はまず「/var/www/html」ディレクトリ以下にファイルがあるかどうかをlsコマンドで確認しています。

# ls -a /var/www/html

   デフォルトではファイルやディレクトリも存在しないため、空であることがわかります。では、クライアントに提供するWebコンテンツを配置してみましょう。WebコンテンツはHTML形式のドキュメントでもよいですし、単なるテキストファイルでもかまいません。ここでは、echoコマンドでテキストファイルtest.htmlを生成しています。

# echo "Hello Red Hat Enterprise Linux 5 x8664" > /var/www/html/test.html

   これでクライアントに提供するWebコンテンツの配置が終わりましたので、サービスを開始します。httpdサービスはサーバを再起動しても有効にしておく必要がありますので、chkconfigコマンドでhttpdサービスを有効にしておきます。

# chkconfig httpd on

   サービスが再起動しても有効になるか「chkconfigコマンド」で確認しておきます。

# chkconfig --list httpd

   次にサーバを利用するランレベルで、httpdがonになっているかを確認します。確認が終わればサービスを起動します。

# service httpd start

   httpdサービスが起動しているか「service」コマンドで確認します。

# service httpd status

   httpdが稼動している場合はhttpdプロセスのIDが表示されます。また「psコマンド」によりhttpdプロセスがあるかも確認しておくほうがよいでしょう。

# ps -ef |grep httpd

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


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第2回:最低限知っておくべきネットワークサービスの構築手順
最低限知っておくべきネットワークサービスの構築手順
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