第2回:バックアップシステム構築の考慮点 (4/4)

バックアップ・ソリューションの選択基準
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第2回:バックアップシステム構築の考慮点

著者:バックボーン・ソフトウエア  青木 浩朗   2005/2/21
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1. クライアント毎のデータ量の見積もり

   最初に、各クライアントのデータ量が3年後にどのくらいになっているかを計算します。なお、データの種類がわからない場合には、対象データは圧縮できないものとして考え、テープ装置を決定する際にも非圧縮にて考えると良いです。

   1台当たり50GBのデータが日々0.1%増加するのが3年間続きますので、計算式1となり、各クライアントのデータ量は約3倍の150GBとなることがわかります。
50GB × 1.001 ^ (365×3) ≒ 150GB

計算式1:各クライアントのバックアップ量


   この数値がそのままフルバックアップの容量となります。


2. 増分バックアップのデータ量の見積もり

   増分バックアップを考える場合には、常に前回のバックアップからの変更量のみを考えます。この例では増分は0.1%となっており、1週間のうち6日間は増分バックアップを行っていますので、計算式に直すと次のようになります。

150GB × 0.001 × 6 = 0.9GB

計算式2:増分のバックアップ量


   フルバックアップのデータ量がわかっていますので、それをもとに大まかな値を求めれば良いでしょう。


3. 保存世代数とクライアント台数により累計を計算

   フルバックアップと増分バックアップを使用して、世代数を考慮に入れた1クライアント当たりの使用容量を求めます。なお、フルバックアップでは常にバックアップが完了して初めて古いデータをリタイア処理するという流れになるため、N+1で計算します。この例では2世代保存ですので、計算式3となります。

150GB ×(2+1)世代 + 0.9GB × 2世代 = 451.8GB

計算式3:1クライアント当たりの総バックアップ量


   これをクライアント台数(8台)で掛けると、トータルの必要容量がわかります(計算式:4)。

451.8GB × 8台 = 3614.4GB

計算式4:各クライアントから総バックアップ量を求める


   非圧縮時トータルが約4TB弱ということで、これはLTO2の20巻のライブラリに相当します。


4. バックアップ速度を確認

   3年後の1台当たりのフルバックアップについて考えます。3年後の各クライアントのデータ量が150GBであるのに対して、LTO2の非圧縮時の転送速度は30MB/sがベンダーのスペック値です。実際にGigabit Ethernetを使用しても20MB/s代でとまるため、平均値として20MB/sとして計算します。20MB/sは時間当たりに直すと72GB/hになり、1日当たり約2時間強かかるという計算になります(計算式5)。

150GB ÷ 72(GB/h) ≒ 2.08時間

計算式5:1日当たりのバックアップ時間


   8台ですと16時間ですが日曜日であれば問題無い事も多いかもしれません。また、例えば夜間に毎日6時間のバックアップウィンドウがある場合、1日だけ2台分をバックアップし、その他の日は1台ずつにすることで、十分なバックアップ時間と言えるでしょう。


次回は

   次回は、バックアップ手法を見直すことで、より効果的な運用を可能にする方法を紹介します。

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バックボーン・ソフトウエア
著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア株式会社  青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。


INDEX
第2回:バックアップシステム構築の考慮点
  バックアップのプランニング
  ハードウェアの選定
  ソフトウェアの選定
1. クライアント毎のデータ量の見積もり
バックアップ・ソリューションの選択基準
第1回 新法施行に備え、バックアップについて改めて考える
第2回 バックアップシステム構築の考慮点
第3回 様々なバックアップとスケジューリング手法
第4回 OSSでのバックアップ手法(前編)
第5回 OSSでのバックアップ手法(後編)
第6回 商用バックアップ・ソフトウェアによる手法(前編)
第7回 商用バックアップ・ソフトウェアによる手法(後編)
第8回 データベースのバックアップ
第9回 バックアップにおけるスナップショットの活用
第10回 今後のバックアップに対する期待と現実

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