第2回:バックアップシステム構築の考慮点 (1/4)

バックアップ・ソリューションの選択基準
バックアップ・ソリューションの選択基準

第2回:バックアップシステム構築の考慮点

著者:バックボーン・ソフトウエア  青木 浩朗   2005/2/21
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バックアップのプランニング

   バックアップシステムは、ストレージのように後から増設を行うことが比較的難しく、導入前のサイジングが重要になってきます。

   サイジングを決定するにあたって、主な考慮点は次のようになります。
バックアップ対象のデータ量

   ここで重要な事は、あくまでデータ量であるということです。モバイル用のWebサーバを例にとると、比較的安価で小規模なIAサーバを使用しても、最近の内蔵のハードディスク容量はかなり大きくなっており、十二分な容量となります。

   そのため、実際に必要とされるデータ量がモバイル用のWebコンテンツということもあり、使用されている容量が数GB程度であるとしても、システム構成図の図面どおりのデータ量のバックアップが必要と判断されかねません。将来的なデータ量の増加について見通しをつけると同時に、現状把握も大切です。


バックアップの台数

   バックアップをするマシンの台数は、バックアップ・ソフトウェアのライセンスに大きく影響してきます。ソフトウェアの詳細については後述しますが、バックアップをする台数によって考え方を変える必要性が出てきます。

   例えば、1台の構成から100台の構成になったからといって、単純に100倍に構図を考えれば良いという訳ではありません。対象となるサーバのデータ量を検討し、ネットワーク経由でのバックアップが行えるようであれば、複数のサーバのバックアップを統合することで、導入コストと管理コストを抑えることが可能となります。


対象クライアントのOS

   ファイルサーバとしては依然としてWindowsベースでの構築やNASの利用が多く、WebやメールサーバにはLinuxが一般的に普及しはじめています。データベースについては、基幹系ではまだUNIXがメインというところがありますが、商用のOracle、DB2やオープンソースのMySQL、PostgreSQLをLinuxで使用しているケースも増えてきています。

   どのようなOSを使用するようになっても、柔軟に対応できるバックアップシステムを備えるべきです。


バックアップの保存期間および世代数

   バックアップの保存期間は、主にバックアップ取得後のバックアップ・メディアをドライブやライブラリから取り出して保存する際に、その保存期間をバックアップ・ソフトウェアのデータベース内で設定します。

   それに対して、バックアップの世代数を設定するのは、オートローダやライブラリなど複数巻のテープ・メディアを収容できる装置です。世代数で設定した分だけ最新のフルバックアップを残すようにしておくことで、古いメディアを再利用することができます。古いデータまで遡る事ができるように世代数を多くする場合には、ライブラリなどの容量計算が特に必要になります。


バックアップの方法

   細かい手法については次回以降にご説明しますが、フルバックアップだけで計算する場合、差分・増分も考えて計算すると、容量のサイジングが変わってきます。差分・存分を導入する場合は、平均的なデータ更新の割合を出すために実際に運用を行ってみないと分からない要素が増えます。


バックアップのために使用できる時間(バックアップ・ウィンドウ)

   これは、容量ではなくバックアップ媒体を選定する際に重要となる要素です。容量を増やすということについては、オートローダやライブラリを使用することになるのですが、時間を短縮するということでは、内蔵されるドライブの種類がキーとなります。


対象となるデータの種類

   通常のファイルシステムについては、一般的なバックアップ・ソフトウェアでは基本機能としてサポートしています。しかしその他のデータベースなどのアプリケーションを停止せずに行う、オンライン・バックアップはオプション機能であることがほとんどです。また、データベースなどのAPIを通したデータ・ストリームは若干低速である場合があり、テスト環境を構築しての検証が必要なケースもあります。

   さらに、データベースの場合には、可用性やパフォーマンスを向上する目的でクラスタリングが併用されるケースが増えており、クラスタリング連携についても検討を迫られるケースがあります。


ディザスタリカバリへの対応

   単にディザスタリカバリと言うとリモートサイトへのデータ同期を示すこともありますが、バックアップ・ソフトウェアで言うディサスタリカバリとは、システムディスクの障害時にOSやアプリケーションの再導入を実施せずに済む専用オプションを示すケースが多いです。費用対効果になりますが、対外的なメールサーバなどのような直ぐに復旧しないと影響が大きいものについては、考慮するべきでしょう。

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バックボーン・ソフトウエア
著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア株式会社  青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。


INDEX
第2回:バックアップシステム構築の考慮点
バックアップのプランニング
  ハードウェアの選定
  ソフトウェアの選定
  1. クライアント毎のデータ量の見積もり
バックアップ・ソリューションの選択基準
第1回 新法施行に備え、バックアップについて改めて考える
第2回 バックアップシステム構築の考慮点
第3回 様々なバックアップとスケジューリング手法
第4回 OSSでのバックアップ手法(前編)
第5回 OSSでのバックアップ手法(後編)
第6回 商用バックアップ・ソフトウェアによる手法(前編)
第7回 商用バックアップ・ソフトウェアによる手法(後編)
第8回 データベースのバックアップ
第9回 バックアップにおけるスナップショットの活用
第10回 今後のバックアップに対する期待と現実

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