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ハードウェアの選定
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バックアップの媒体としては、光ディスク、テープ、ハードディスクの3つに分けられます。それぞれが果たす役割が変わり、ソフトウェアを選定する際にもハードウェアの構成が選定要素のひとつとなります。
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光ディスク
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パーソナルユースでは、CD-RやDVD-Rなどが広く普及していますが、企業向けのバックアップ媒体としては容量不足が問題となっています。先進的な光ディスクである、"Blue-ray Disc"を応用したSONY製のProfessional Disk for Dataですら23GBと、旧式のテープメディアであるDDS4の圧縮時40GB(非圧縮時20GB)に及びません。どちらかというと、長期保存のアーカイブ用として使用されるケースがほとんどです。
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テープ
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バックアップ媒体としてビジネス用途でもっとも広く使用され、その種類も豊富です。各テープ装置はハードウェア・エンコードのための圧縮チップを搭載しており、ホスト側に負荷をかけずに1/2(ソニーの場合1/2.6)のデータ圧縮が可能になっています。容量計算を圧縮後のファイルサイズで行うと、対象となるデータが例えばMPEGやJPEGなどの再圧縮が効きにくい種類である場合、計算が狂ってしまいメディアが足りないという場合もあります。
また、テープ装置は表1のように3タイプに分けられます。どのような装置を使用するかは、バックアップ量と世代数が影響します。
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- スタンドアロンドライブ
- テープ・メディアの交換機構が無いいわゆるドライブのみ。DDSやAITなどはサーバに内蔵されることも多い。
- オートローダ
- ドライブを1台のみ搭載し、8巻程度のメディアを切り替えて使用する。
- ライブラリ
- ドライブを2台以上搭載可能であり、中には数百巻のメディアを格納可能な製品も存在する。
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表1:テープ装置の種類
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・別録
バックアップテープ規格表(別ウィンドウに表示します)
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WORMとは?
最近、テープ・メディアの種類でWORMという言葉を聞くようになってきました。これは、Write-Once Read-Manyの略で、一度記録したデータへの上書きや消去ができないようになっているメディアの事です。
第1回で米国の各種法規制について簡単にご説明しましたが、WORMはこうした法規制で求められるデータの改ざんを防止するためのひとつの方法になっています。最も早く対応したSONYのAITに続き、つい最近リリースされたLTO3でもWORMメディアが選択できるようになってきました。今後は各社とも対応したメディアおよびドライブのリリースを積極的に行ってくると考えられています。
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ハードディスク
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ハードディスクが高価であるために、テープにバックアップという時代は終わりつつあります。ハードディスクが非常に安価になり、テープ媒体とのコスト差がなくなってきました。そのため、コストの安い大容量のディスクアレイをバックアップ媒体として使用することも多くなってきています。
単にバックアップする複数のファイルをひとつのアーカイブとして、ファイルシステム上に保存するケースもありますが、エンタープライズの分野では日商エレクトロニクス社のVTLAシリーズなどのように、SCSIやFCで接続されたディスク装置を仮想的にテープ装置として認識するようなものもあります。
また、NetVaultの仮想テープ・ライブラリでは専用のハードウェアを使用せずに、安価なストレージ機器をソフトウェアの機能により、仮想的なテープ装置として使用する機能が利用可能です。
最終バックアップをディスク装置のみに保存している管理人もいますが、ハードディスクは常にオンラインで動作する媒体であることを考えると、外部保管も可能なテープ・メディアへコピーするか、移動することが必要であると考えられます。
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NetVaultの仮想テープ・ライブラリとは?
例えばWindows XP標準のバックアップツールは、バックアップするファイルをバックアップファイルという形で保存しています(図1)。
図1:WindowsXPの標準バックアップツール
それに対して、NetVaultの仮想テープ・ライブラリは、ディスク上に仮想的なテープ・ライブラリを実現することで、エンタープライズ用途におけるテープ運用の管理をそのままハードディスクで行い、安価にかつ高速に実現しています(図2)。
図2:NetVaultの仮想テープ・ライブラリ
通常、テープ・ライブラリを購入する際に、ドライブ搭載台数が増えると価格も上がってしまいますが、ソフトウェア上の仮想的ドライブによって動作するため、パラレル・バックアップも容易に可能です。
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著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア株式会社 青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。
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