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チューニング開始!
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それではPostgreSQLの設定を調整(チューニング)していきましょう。最初のターゲットは「共有バッファ」です。
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PostgreSQL専用ディスクキャッシュ
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共有バッファとは、PostgreSQLが独自に用意しているディスクキャッシュです(図2)。
図2:共有バッファの概念図
PostgreSQLエンジンがデータベースにアクセスする場合、まずハードディスク上の必要なデータを共有バッファ上に読み込みます。そして共有バッファ上のデータを読み書きすることで処理を行います。その後また同じデータにアクセスする必要が生じた場合には、ハードディスクにアクセスするのではなく、すでに共有バッファ上に読み込まれているデータに対してアクセスします。こうすることで、遅いハードディスクへのアクセスを減らして処理性能を稼いでいるわけです。
ただ共有バッファはサーバマシンのメモリ上に確保されるため、その大きさには限界があります。このため、ハードディスク上のすべてのデータを共有バッファに読み込めるわけではありません。そこでPostgreSQLでは、より頻繁にアクセスされるデータを優先的に共有バッファに読み込むことで、適切なパフォーマンスを維持するようになっています。
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共有バッファの大きさ
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共有バッファの大きさはデフォルトで1,000ページです(環境やバージョンによって変わることがあります)。ページとは、PostgreSQLがハードディスクにアクセスする単位のことで、通常は8Kバイトの大きさです。ですから1,000ページの共有バッファというのは、8Mバイトのディスクキャッシュということになります。
一般にRDBMSで管理するデータベースは、数Gバイト以上のサイズのものも珍しくありません。このような大きなデータを扱うためのキャッシュとしては、8Mバイトというサイズは非常に小さいと言わざるを得ません。そこで、この共有バッファサイズをできるだけ大きくして余計なディスクアクセスを減らすことにより、PostgreSQLのパフォーマンスをアップさせることができます。
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共有バッファサイズの調整
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共有バッファは大きければ大きいほど良い性能が出ます。ですが共有バッファはサーバマシンのメモリ上に作られますから、あまり大きくしすぎるとPostgreSQL本体やOS本体、他のプログラムを実行するためのメモリが足りなくなってしまいます(図3)。
図3:サーバ搭載のメモリ使用状況のイメージ
正確に最適な共有メモリサイズを求めることもできますが、ここでは簡単な目安として、サーバマシンの搭載メモリ量の1/4〜1/2を設定することをお勧めいたします。通常は1/4程度でいいと思いますが、潤沢なメモリ量を搭載している高性能サーバマシンの場合には1/2という選択肢も有力です。
さっそく、今回のテスト用サーバマシンでチューニングしてみましょう。このサーバマシンには512Mバイトのメモリが搭載されています。少々心もとないメモリ量ですので、少な目の1/4を共有バッファに割り当てることにします。1/4×512Mバイト=128Mバイトですから、ページ数に換算すると16,000ページとなります。これが設定値となります。
PostgreSQLの設定を変更するには、エディタなどで設定ファイルを編集します。PostgreSQLをソースからインストールしたのであれば、設定ファイルは/usr/local/pgsql/data/postgresql.confです。ディレクトリ構成を変更している場合や、RPM等でインストールされた場合には、設定ファイルの場所が異なる場合がありますので、ご利用の環境に合わせて読み替えてください。
設定ファイル(postgresql.conf)をviなどのテキストエディタで開くと、非常に多くの設定パラメータがあることがわかると思います。この中で共有バッファサイズの指定を行っているのが"shared_buffers"という設定項目です。デフォルトでは1,000ページという指定になっていますので、これを16,000ページに変更して保存します。
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shared_buffers = 16000 # min 16, minimum max_connections*2, 8KB each
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その後、PostgreSQLサーバを再起動すれば準備OKです。
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著者プロフィール
日本PostgreSQLユーザ会 片岡 裕生
1995年よりインターウィズという屋号で個人事業を営む。普段はPostgreSQLを用いたウェブアプリケーション開発などを行う。各コンピュータ情報誌にてPostgreSQL関連記事や連載を執筆。日本PostgreSQLユーザ会の創立メンバーの1人で、同会の技術担当理事、PostgreSQLのしくみ分科会座長を経て、2004年度からは理事長を勤める。
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