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DAVL Q and A
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DAVLはここ最近、発表等の機会が増えており、ユーザからの質問も増えてきている。ここでは少し趣向を変えて、DAVLに関するQ and Aを紹介する。DAVLに対する疑問や誤解が解消されたり、使い方のヒントになれば幸いである。
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製品なのか?ライセンスは?
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DAVLはオープンソースソフトウェアとしてSourceForge上で公開していますので、どなたでもダウンロードして使用することができます。ライセンスはGPLになっています。
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こういうツールはWindowsにもありますよね。違いは何でしょう?
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DAVLでは確認対象をパーティションだけではなく、ディレクトリやファイルにもできる所がメリットと考えています。さらに、テキスト形式でも出力できます。実はこれが一番使える機能ではないかと考えています。例えば、sedやgrep等と組み合わせることでフラグメント率を取り出したり、さらにそれをcronで動かして定期的なへルスチェックに利用したりといった応用が可能です。
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動作する環境は?
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MIRACLE LINUX v3.0、Fedora Core 2および3では動作を確認しています。また、Fedora Core 2で再構築した、The Linux Kernel Archives(http://www.kernel.org/)のカーネルv2.6.9上でも動作確認しています。また、DAVLのメーリングリスト(記事末に記載)にはその他の環境での動作報告が投稿されていますので、そちらも参照して下さい。
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ext2/ext3に対応しているようですが、ReiserFSやXFS等の他のファイルシステムには対応しないの?
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現在の所は予定していません。
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ならば、他のファイルシステムへのポーティングを自分で行ってみようと思うのですが、ポーティングは簡単ですか?
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cdavlやdavl_livelinfoはext2/ext3に依存した仕様になっていますし、ext3とReiserFSやXFSではジャーナルデータの仕様などが違いますので、ポーティングできる部分は少なく、ほとんど新規に開発することになると思います。ただし取得するデータの出力形式を同じにすれば、gdavlは再利用可能だと思います。
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性能が悪いのでデフラグして確認したいのですが、デフラグする機能は入っていますか?
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現在のDAVLにはデフラグ機能は入っていません。性能劣化に対応する手段を考えるヒントとして、現在の状況を視覚的に提供するだけです。なお、デフラグの方法としては、ユーザが別ディスクにデータを複写/移動する等の方法があると思います。
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フラグメント状況を見るだけで、改善できないツールなら、意味ないのでは?
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性能劣化の問題が発生した場合に、その原因のひとつがフラグメントであるとの情報を得るだけでも有効だと考えます。DAVLがなければその判断もできません。また、デフラグツールがどこかで開発された場合、そのツールによって現在のフラグメント状態をどの程度改善できるかを容易に知ることもできます。
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情報を見やすくしたり、使い勝手を良くして欲しいのですが。
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具体的にどのようにして欲しいか、メーリングリスト(記事末に記載)で教えて下さい。可能な限り、対応します。
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まとめ
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以上簡単にDAVLについて紹介した。DAVLはあなたの環境でコンパイルすればすぐに使うことができる。DAVLを使い、まずはお手持ちのPCのフラグメント状態を確認してみてはいかがだろうか?フラグメンテーション状態を眺めれば、次に何かをしたくなるかもしれない。
また、サーバなど停止のできない運用では、文中で紹介したように、アクセス性能劣化の問題が発生した場合にまずDAVLを用いて一次解析を行い、必要に応じて解析用サーバでさらにLKSTで解析を行う、という使い方がお勧めである。そして改善方法を適用した場合には、またDAVLでぜひ確認して頂きたい。
なお、DAVLに関しては「IPA(独立行政法人情報処理推進機構)および日本OSS推進フォーラム・開発基盤ワーキンググループ公開の、「ディスク割り当て評価ツール『Disk Allocation Viewer』の開発」報告書でも報告している。以下のURLを参照して頂きたい。
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http://www.ipa.go.jp/software/open/forum/Contents/DevInfraWG/ dav-report.pdf
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また、ソースコード(GPL)やマニュアルは以下のURLから公開されている。
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http://davl.sourceforge.net/
http://davl.sourceforge.jp/
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文中で紹介したLinux Conference 2005で発表した資料は以下で公開されている。
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http://lc.linux.or.jp/lc2005/slide/CP-06s.pdf
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現在、DAVLはGtk+2への対応が終わり、リリースを行ったところである。続けて、cdavlの2つの結果の差分を抽出し可視化する機能を開発しており、秋頃にリリースする予定である。
このDAVLが、皆様のフラグメンテーションへの関心を高めるきっかけになれば幸いである。
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最後に
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「オープンソースソフトウェアの性能・信頼性評価手法」と合わせ、14回にも渡った「OSSの性能・信頼性評価/障害解析ツール開発」報告の連載記事も今回で終わりである。それぞれ特徴のある記事だったと思うが、いかがだったろうか?
最後に、DAVLをはじめ、すべての評価・開発を支援して下さったIPAおよび日本OSS推進フォーラム・開発基盤ワーキンググループの関係者各位に感謝するとともに、本連載記事が、OSSを活用しようとしている皆様に少しでも役立つことを心から祈って、筆を置く事にする。
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著者プロフィール
株式会社日立ハイブリッドネットワーク 藤原 哲
1986年に日立通信システム(現 日立ハイブリッドネットワーク)入社。入社当初は、主に交換機等のファームウェア開発を行っていた。その後は時代の流れと共に、アセンブラ使いからC言語使いに移行し、主にアプリケーションの開発を行ってきた。派遣先のシステム開発研究所において、2004年度から今回のDAVLを担当、現在もLinuxのソフトウェア開発に従事している。Linuxカーネルの魅力にはまりつつある今日この頃である。
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著者プロフィール
株式会社日立製作所 杉田 由美子
システム開発研究所に勤務。OS、コンパイラなどの研究開発を経て、90年代後半からシステムの高信頼化研究に着手。Linuxカーネルの研究は2001年から担当。現在もLinux/OSSを中心とした研究開発に従事。LKST/DAVLのメンテナ。OSS関連のコミュニティ活動にも参加し、普及にも取り組んでいる。
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