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Eclipse RCP
Eclipseで実現するリッチクライアントの世界

第2回:アプリケーションを実際に作ってみる(前編)
著者:ビーブレイクシステムズ  横井 朗   2005/9/16
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プラグイン・マニフェストファイル(plugin.xml)の編集

   プラグイン・プロジェクトを作成すると、プラグイン・マニフェストファイルが開かれた状態になりますので、ここでEclipse RCPベースのアプリケーションに必須なプラグインと拡張ポイントを定義します。

   必須プラグインとは作成するアプリケーションの動作に必要なプラグインのことをさします。ここではEclipse RCPベースのアプリケーションに必須な2つのプラグインを追加します。

   「依存関係」タブを選択。「追加」ボタンをクリックして必須プラグインに"org.eclipse.core.runtime"、"org.eclipse.ui"の2つを追加します。
依存関係の追加
図4:依存関係の追加
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   次に先ほど決定した拡張ポイントを追加します。まずはEclipse RCPベースのアプリケーション必須の拡張ポイント(org.eclipse.core.runtime.applications)を定義します。

   「拡張」タブを選択して追加を押し、一覧から"org.eclipse.core.runtime.applications"を追加します。

   追加した"org.eclipse.core.runtime.applications"を選択し、「拡張詳細」の「プロパティ:ID」に"SimpleBrowser"と入力します。

   "org.eclipse.core.runtime.applications"を右クリックして「新規 → application」を選択します。

   追加した「application」を右クリックし、「新規 → run」を選択。追加した"run"の「プロパティ:class」を"sample.SimpleBrowserRunnable"と変更します。

   ここで指定したクラスがアプリケーションの起動時に呼びだされるメインのクラスとなります。

   続いて、初期レイアウトを決定するパースペクティブ(org.eclipse.ui.perspectives)の拡張ポイントを定義します。

   先ほどと同様に「拡張」タブから"org.eclipse.ui.perspectives"を追加。追加した"org.eclipse.ui.perspectives"を右クリックして「新規 → perspective」を選択して、プロパティに表3の値を入力します。

プロパティ
id SimpleBrowserPerspective
name シンプルブラウザ パースペクティブ
class sample.SimpleBrowserPerspective
icon -
fixed -

表3:パースペクティブのプロパティ

   次にツリーのお気に入りメニューとWeb表示用のビュー(org.eclipse.ui.views)の拡張ポイントを追加します。

   「拡張」タブから「追加」クリックし、「拡張ポイントの選択」で"org.eclipse.ui.views"を選択。お気に入りメニューではサンプルのツリー・ビューアーを元に作成するので、「サンプル・ビュー」を選択して「次へ」をクリックします。

拡張ポイントの選択
図5:拡張ポイントの選択

   「ビュー内でホストされるビューアー・タイプの選択」で「ツリー・ビューアー」を選択し、「ビュー・クラス名」「ビュー名」に表4のように入力して、「次へ」をクリックします。

入力項目 入力値
Javaパッケージ名 sample.views
ビュー・クラス名 FavoriteView
ビュー名 お気に入り
ビュー・カテゴリーID SampleBrowser
ビュー・カテゴリー名 シンプルブラウザ
テーブル・ビューアー チェックOFF
ツリー・ビューアー チェックON
リソース・パースペクティブにビューを追加 チェックOFF

表4:メイン・ビュー設定

   「ビュー・フィーチャー」では、「ダブルクリックサポートの追加」のみにチェックを入れ、ウィザードを終了します。

   最後にWeb表示用のビューを追加します。

   「拡張」タブで、先ほど追加した"org.eclipse.ui.views"を右クリックし、「新規 → View」を選択。プロパティに表5の値を入力します。

プロパティ
id sample.views.BrowserView
name ブラウザ
class sample.views.BrowserView
category SampleBrowser
icon icons/sample.gif
fastViewWidthRatio -
allowMultiple -

表5:Web表示ビューのプロパティ

   以上でプラグイン・マニフェストファイルの編集は終了ですので、「plugin.xml」のタブを選択し、以下のようになっていることを確認します。

   プラグイン・マニフェストファイル(完成版)
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<?eclipse version="3.0"?>
<plugin
  id="SimpleBrowser"
  name="SimpleBrowser プラグイン"
  version="1.0.0"
  provider-name="">

  <runtime>
    <library name="SimpleBrowser.jar">
       <export name="*"/>
    </library>
  </runtime>
  <requires>
    <import plugin="org.eclipse.core.runtime"/>
    <import plugin="org.eclipse.ui"/>
  <extension
      id="SimpleBrowser"
      point="org.eclipse.core.runtime.applications">
    <application>
      <run class="sample.SimpleBrowserRunnable"/>
    </application>
  </extension>
  <extension
      point="org.eclipse.ui.perspectives">
    <perspective
        class="sample.SimpleBrowserPerspective"
        name="シンプルブラウザ パースペクティブ"
        id="SimpleBrowserPerspective"/>
  </extension>
  <extension
      point="org.eclipse.ui.views">
    <category
        name="シンプルブラウザ"
        id="SimpleBrowser"/>
    <view
        class="sample.views.FavoriteView"
        icon="icons/sample.gif"
        category="SimpleBrowser"
        name="お気に入り"
        id="sample.views.FavoriteView"/>
    <view
        icon="icons/sample.gif"
        class="sample.views.BrowserView"
        category="SimpleBrowser"
        name="ブラウザ"
        id="sample.views.BrowserView"/>
    </extension>

</plugin>
まとめ

   今回はプラグイン・マニフェストファイルの編集まで行いましたが、いかがでしたでしょうか。

   今回説明したプラグイン・マニフェストファイルの編集までが、Eclipse RCPベースのアプリケーション開発やプラグイン開発の独特の作業になります。 ここまでをしっかり理解しておけば、あとは拡張ポイントのルールに従ってクラスを実装していくだけですので、通常のJavaのコーディングとさほど変わりません。

   次回は、引き続きサンプル・アプリケーションを作成します。

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ビーブレイクシステムズ
著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ  横井 朗  
オープンソース指向技術コンサルタント。Java専門のソフトウェアハウス〜フリーエンジニアを経て現職。帳票開発のみならず、オープンソースを用いたシステム構築を日々提案。なによりもお客様の真のニーズを求めるため社内外でオープンソースに関する啓蒙活動を行う。


INDEX
第2回:アプリケーションを実際に作ってみる(前編)
  はじめに
  サンプル・アプリケーションの作成
プラグイン・マニフェストファイル(plugin.xml)の編集