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Eclipse TPTP
Eclipseでテストとパフォーマンス検証

第2回:Eclipse TPTPでJUnitテスト
著者:ビーブレイクシステムズ  益原 祐介   2005/10/17
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テスト・スイートの作成

   次にテスト・スイートを作成します。テスト・スイートとはテスト・クラスの概要やレイアウトを定義してテスト・クラスを自動生成したり、テスト・メソッドの振る舞いを定義するファイルです。ここではテスト・スイートの生成、テスト・メソッドの追加、テスト・メソッドの振る舞いを定義します。
テスト・スイートファイルの作成

   「File → New → Other… → Test → TPTP JUnit Test」を選択して「Next」をクリックします。この時ビルドパスにjarファイルを追加するか聞かれますので、「Yes」をクリックしてください。

   すると「New JUnit Test Definition」の設定画面が表示されますので、「Source folder」に"JunitSample"、「package」に"sample"、「Name」に"CalcAreaTest"をそれぞれ指定します。また「Select how the test behavior is edited」には「In the test editor」を選択してください。すべて入力が終了したら「Next」をクリックしてください。

   次に親フォルダの選択画面が表示されますので、「Next」をクリックしてください。最後に「Description」を記述する画面が表示されますが今回は空欄のまま「Finish」をクリックしてください。

   設定が完了すればsampleパッケージの下に"CalcAreaTest.testsuite"というテスト・スイートファイルと、"CalcAreaTest.java"が作成されるます。


テスト・スイートファイルの編集

   それでは先に作成したテスト・スイートファイルを編集していきます(図1)。

テスト・スイートファイルの作成
図1:テスト・スイートファイルの作成
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   先ほど作成した"CalcAreaTest.testsuite"を開き「Overview」タブをクリックしてください。ここにはテストの概要が表示されます。基本的に作成の際に設定しているのでこの画面では何も変更しません。

   まず「Test Methods」タブをクリックするとテスト・メソッドを定義する画面が表示されますので 「Add」をクリックしテスト・メソッドを追加します。

   次に「Name」欄にテスト・メソッド名を記述します。今回は"testRectangle"と"testTriangle"の2種類を追加します。テスト・メソッドを追加してテスト・スイートファイルを保存すると、"CalcAreaTest.java"にもテスト・メソッドが追加されます。"CalcAreaTest.java"に追加されたテスト・メソッドはこの時点では空なので、後ほど実装します。


テスト・メソッドの振る舞いの定義

   「Behavior」タブをクリックしてテスト・メソッドの振る舞いを定義します(「Overview」の「Implement Test Behavior as code」チェックボックスをオンにしていると「Behavior」タブは表示されないので注意してください)。

   振る舞いとして「繰り返し実行」を定義することができますので、今回は"testRectangle"を繰り返し行うように定義します。「Add…」をクリックして「Loop」を選択します。「Name」欄には"testRectangle"と入力して「Number of Iteration」欄に"3"と入力します。

   次に"testRectangleLoop"を選択した状態で「Add…」をクリックして「invocation」を選択した後、"testRectangle"を選択して「OK」をクリックします。これで"testRectangle"メソッドが3回繰り返して行われるように定義されました。

   "testTriangle"は1回だけ実行するので「Insert…」をクリックして「invocation」を選択、"testTriangle"を選択して「OK」をクリックします。

   以上で、テスト・スイートファイルの編集は終了です。


テスト・メソッドの実装

   テスト・スイートファイルの編集によって"CalcAreaTest.java"には空の"testRectangle"と"testTriangle"が追加されたので、処理を実装します。実装内容は以下の通りです。

テスト・メソッドの実装
⁄**
 * rectangleテスト
 *⁄
public void testRectangle() throws Exception {
        BigDecimal w; ⁄⁄幅
        BigDecimal h; ⁄⁄高さ

        w = new BigDecimal("10");
        h = new BigDecimal("10");
        assertEquals(new BigDecimal("100"), CalcArea.rectangle(w, h));

        w = new BigDecimal("12");
        h = new BigDecimal("2.3");
        assertEquals(new BigDecimal("27.6"), CalcArea.rectangle(w, h));
}

⁄**
 * triangleテスト
 *⁄
public void testTriangle() throws Exception {
        BigDecimal w; ⁄⁄ 底辺
        BigDecimal h; ⁄⁄ 高さ

        w = new BigDecimal("10");
        h = new BigDecimal("10");
        assertEquals(new BigDecimal("50"), CalcArea.triangle(w, h));

        w = new BigDecimal("12");
        h = new BigDecimal("2.3");
        assertEquals(new BigDecimal("13.8"), CalcArea.triangle(w, h));
}
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株式会社ビーブレイクシステムズ 益原 祐介
著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ  益原 祐介
Javaスペシャリスト
九州大学文学部卒業。在学中は考古学の研究、遺跡の発掘作業を行う。その後、情報システムに興味を持ちビーブレイクシステムズに入社。徹底した社内教育によりJavaエンジニアとなる。現在は社内技術レポートの執筆や技術雑誌への寄稿を行い、社内の技術力の向上に貢献。


INDEX
第2回:Eclipse TPTPでJUnitテスト
  はじめに
テスト・スイートの作成
  テストの実行
  テスト・クラスの編集