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プロセッサに関する測定基準
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まずは、CPUの使用状態に関する項目を整理します。これはプロセスの状態やプロセスが実行される時のボトルネックなどについて把握する際に必要となります。
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CPU Utilization(CPU使用率)
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ユーザ空間/Linuxのカーネル空間での動作を含めた総合的なシステムとしてのCPUの使用率を示します。一般的にカーネル空間とは、カーネル自体の動作やハードウェアに関しての操作を行った場合を示し、ユーザ空間とはアプリケーションの動作そのものにCPUを使用した場合を示します。
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User Time(ユーザ空間での実行時間)
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ユーザ空間におけるプロセスの実行時間を示します。一般的にこの時間が多ければ、アプリケーション自体の実行にCPUが使用されていることがわかります。そのため、アプリケーションの実行という観点からは効率的にCPUが使用されていると判断できる場合が多いです。
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System Time(カーネル空間での実行時間)
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Linuxのカーネルが割り込み処理、ハードウェアの操作、その他のカーネルの機能そのものの実行に使用された時間を示します。一般的にはこの値が持続的に高い場合にはデバイスドライバやハードウェアレベルでの問題の可能性が考えられます。また、この時間が少ないほうがシステムトータルでよい兆候を示す場合が多いです。
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Idle Time(アイドルタイム)
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CPUが何も処理を行わず待機状態にある時間を示します。
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Nice Time(プロセスの実行順序操作処理)
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プロセスの実行優先度・実行順序を決定するために使用された時間を示します。
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Runnable Proccess(実行可能プロセス)
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実行可能状態にあるプロセスを示します。プロセスはLinuxのカーネル内のプロセスの実行を操作するプロセス・スケジューラのスケジューリングの対象となり、順番に実行権を与えられ実際に実行されるのを待っている状態です。
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Blocked(実行中断状態プロセス)
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ある条件の成立を待って実行を一時的に中断している状態のプロセスを示します。具体的にはハードディスクなどへのI/Oリクエストの結果待ちの状態にあるプロセスなどを示し、ディスクI/Oが遅い場合などにこの状態のプロセスが増加することが多いです。
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Waiting(I/O処理時間)
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I/Oリクエストから結果が返されるまでに使用されたトータルの時間を示します。Blockedの状態はプロセス数を示すが、WaitingはI/O処理の全体に使用された時間を示します。
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Context Switch(プロセス切り替え処理)
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カーネルのプロセス・スケジューラが現在実行しているプロセス、スレッドから次にスケジューリングされているプロセスのスレッドを実行に切り替えるための処理数を示します。
現行のプロセス・スレッドを保存したり、次に実行するプロセス・スレッドをリストアしたりする動作が伴うためオーバーヘッドが生じ、CPU内部のキャッシュがクリアされてしまうためにCPU単位で処理ロスが生じる場合があります。
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著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社 梅谷 晃宏
日本アイ・ビー・エム株式会社、Linuxサポートセンター所属
1999年のLinuxサポートセンターの設立以来、一貫して先進Linux関連プロジェクトやLinuxビジネスの開発に従事。現在はLinux上のIBM製ソフトウェアのサポート、SELinuxなどのLinuxセキュリティ、及び通信キャリア仕様Carrier Grade Linuxのプロジェクトを担当。
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