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Linux+DB2
Linux+DB2のパフォーマンスチューニング

第1回:チューニングの基準
著者:日本アイ・ビー・エム  梅谷 晃宏   2005/10/7
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メモリに関する測定基準

   次にメモリの使用状態に関しての項目ついて整理します。アプリケーションが使用するメモリのみならず、システムが使用するファイルキャッシュの状態などのシステム全体でのメモリ使用率を把握する必要があります。
Free Memory(空きメモリ)

   オペレーティングシステムが認識するメモリの中で未使用のメモリの総容量を示します。

   ただし、Linuxのカーネルでは使用されていないメモリをファイルシステム・キャッシュ、バッファ・キャッシュとして可能な場合割り当ててしまう場合があるため(ディストリビューションやバージョンに依存)、空きメモリが少なく見えたとしても使用されているメモリからファイルシステム・キャッシュ、バッファ・キャッシュの2つの合計を引いたものを空きメモリとして考慮しなければならない場合があります。


Buffer and Cache(バッファとキャッシュ)

   ファイルシステムに割り当てられたメモリをCache、ブロックデバイスに割り当てられたものをBufferと示します。どちらもディスクなどの物理媒体にアクセスするオーバーヘッドを短くする目的で割り当てられています。


Swap Usage(スワップ使用率)

   メモリのスワップに使用された総容量を示します。一般的にスワップが1秒間に200から300ページほど継続的に起こっている場合にはメモリが問題点になっていると判断できます。


Slabs(カーネル使用のメモリ)

   カーネルが使用しているメモリの総容量を示します。


Active,Inactive Memory(メモリのアクティブ、インアクティブ状態)

   メモリの状態がアクティブかインアクティブかを示すが、ここでのインアクティブな状態とはカーネルによってスワップされた状態のメモリを示すことが多いです。


ブロックデバイスに関する測定基準

   ブロックデバイスに関しての使用状態を整理します。主にディスクアクセスに関するボトルネックを判断するために使用します。


Iowait(I/O待ち時間)

   I/O処理が起動されるまでにCPUが待ち状態にあった時間を示します。この値が高い状況では明らかにI/Oが問題になっている場合が多いです。


Average Queue Length(平均I/Oキュー数)

   ディスクなどのデバイスに対して処理待ちキューが発生した回数を示します。一般的に一度に大量のディスクアクセスが発生した場合にI/Oキューが発生し待ちの状態につながるが、平均して2〜3個の処理待ちが発生するとディスクアクセスがボトルネックになっている場合が多いです。


Average Wait(I/O平均待ち時間)

   I/O処理が起動されるまでの待ち時間の平均を示します。I/O処理とI/Oキュー内での待ち時間が含まれます。


Transfers per Second(秒単位でのI/O処理回数)

   読み込み、書き込みを含むI/O処理が1秒間に実行された回数を示します。


Blocks Read/Write per Second(ブロック単位での読み書き転送量)

   Linuxのカーネルが2.6系の場合には1024byteのブロック単位で読み込み、書き込みがどのぐらい行われたかを示します。


Kilobytes per Second Read/Write(Kbyte単位での読み書き転送量)

   Kbyte単位でブロックデバイスに対しての実際の読み込み、書き込みの転送量を示します。

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日本アイ・ビー・エム株式会社 梅谷 晃宏
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社  梅谷 晃宏
日本アイ・ビー・エム株式会社、Linuxサポートセンター所属 1999年のLinuxサポートセンターの設立以来、一貫して先進Linux関連プロジェクトやLinuxビジネスの開発に従事。現在はLinux上のIBM製ソフトウェアのサポート、SELinuxなどのLinuxセキュリティ、及び通信キャリア仕様Carrier Grade Linuxのプロジェクトを担当。


INDEX
第1回:チューニングの基準
  チューニングの勘所
  プロセッサに関する測定基準
メモリに関する測定基準
  ネットワークデバイスに関する測定基準