TOP設計・移行・活用> 単体構成におけるHAクラスタ化の手順
LifeKeeperのすべて
LifeKeeperのすべて

第12回:様々なアプリケーションのHAクラスタ化を実現するGeneric ARK
著者:サイオステクノロジー クラスタソリューショングループ
監修者:サイオステクノロジー  小野寺 章   2006/2/10
前のページ  1  2  3   4  次のページ
単体構成におけるHAクラスタ化の手順

   構築にあたっては表3の項目を前提として作業を行う。
  • rootで作業を行う
  • HAクラスタ化対象サーバをlk1/lk2とする
  • 共有データ領域のマウントポイントを/mnt/DIR1とする
  • ガルーン2のインストール識別子をデフォルトのcbgrnとする

表3:構築についての前提条件

   また表4にあげたソフトウェアが両方のサーバにインストールされていることを確認する。

  • Apache
  • LifeKeeper
  • Apache Web Server ARK

表4:インストールされている必要があるソフトウェア

   最後にガルーン2のスクリプトをダウンロードしておく。以上で、事前準備は整った。早速HAクラスタ化を行っていこう。


Apacheリソースの作成

   まず、lk1で/mnt/DIR1にガルーン2用のhtmlディレクトリとcgi-binディレクトリを作成する。

# mkdir -p /mnt/DIR1/www/html /mnt/DIR1/www/cgi-bin

   その後、Apacheのhttpd.confにそれらを参照するよう設定する。またその際、仮想IPアドレスでApacheがListenできるよう設定することも忘れてはいけない。設定し終えたhttpd.confをlk2にコピーしたら、Apacheリソースを作成することが可能となる。

Apacheリソース作成後の状況
図3:Apacheリソース作成後の状況


ガルーン2のインストール

   次にlk1にガルーン2をインストールする。インストール後は表5のように設定をする。

常駐プログラムとデータのディレクトリ /mnt/DIR1/cybozu
CGIプログラムのディレクトリ /mnt/DIR1/www/cgi-bin
ドキュメントルート /mnt/DIR1/www/html

表5:インストール時の設定

   ガルーン2をインストールすると「Cybozu Database Engine」と「Cybozu Scheduling Service」が自動起動するので、これらを停止する。また、これらのサービスがOS起動時に自動起動しないように設定する。

# /etc/init.d/cyss_cbgrn stop
# /etc/init.d/cyde_4_1 stop
# chkconfig cyde_4_1 off
# chkconfig cyss_cbgrn off

   ここまででlk1の作業は終了である。同様にガルーン2のインストールをlk2でも行う。

   まずはApacheリソースをlk2に切り替え、以下のように共有データ領域を初期化する。

# rm -fr /mnt/DIR1/cybozu /mnt/DIR1/www
# mkdir -p /mnt/DIR1/www/html /mnt/DIR1/www/cgi-bin

   その後、lk1での作業と同様にガルーン2をインストールする。これでlk1とlk2にガルーン2がインストールされた。

   いよいよGeneric ARKでガルーン2のスクリプトを組み込んでいく。


Generic ARKによるスクリプトの組み込み

   まずApacheリソースをlk1に切り替える。その後、ガルーン2のスクリプトを準備する。/root/ga2_scriptにガルーン2のスクリプト「LK4L.tar.gz」があることを確認し、以下のようにスクリプトを展開する。

# cd /root/ga2_script
# tar xzvf LK4L.tar.gz
# cd LK4L
# ./mk_scripts.sh

   mk_scripts.shを実行するとscriptsディレクトリにガルーン2の各サービスのスクリプトが展開される。

# ls -1 scripts⁄*⁄*
scripts/cyde_4_1/quickCheck
scripts/cyde_4_1/recover
scripts/cyde_4_1/remove
scripts/cyde_4_1/restore
scripts/cyss_cbgrn/quickCheck
scripts/cyss_cbgrn/recover
scripts/cyss_cbgrn/remove
scripts/cyss_cbgrn/restore

   このようにガルーン2のHAクラスタ化では、「Cybozu Database Engine」と「Cybozu Scheduling Service」のリソースを作成し保護をする。

前のページ  1  2  3   4  次のページ


サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
サイオステクノロジーにおいて、SteelEye LifeKeeperの技術サポートや構築支援を行うエンジニア集団。日本国内で、彼ら以上にLifeKeeperを知る者たちはいないと自負している。世の中のすべてのHAクラスタがLifeKeeperになることを夢見て日々奮闘を続けている。


サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章
監修者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  小野寺 章
インフラストラクチャービジネスユニット
エンタープライズソリューション部 部長
国産汎用機メーカに入社し、汎用機のSEを10数年担当、1994年頃からオープン・ダウンサイジングブームの到来とともにUNIX系OSを担当し、Solaris、HP/UXでSun Cluster、Veritas Cluster、MC/ServiceGuardなどを使用した、多数のミッションクリティカルシステムのHAシステム構築に従事。2001年ノーザンライツコンピュータ(現サイオステクノロジー)へ入社後、SteelEye LifeKeeperの総責任者としての国内での販売・サポート業務に従事。


INDEX
第12回:様々なアプリケーションのHAクラスタ化を実現するGeneric ARK
  Generic ARKとは
  Generic ARKを使用した事例紹介
単体構成におけるHAクラスタ化の手順
  「Cybozu Database Engine」のリソースの作成