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第7回:共有ファイルシステム「LKDR」と「DRBD ARK」
著者:サイオステクノロジー クラスタソリューショングループ
監修者:サイオステクノロジー  小野寺 章   2006/1/6
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2. DRBDデバイス(/deb/drbdX)でファイルシステムを作成、マウントする

   作成した/dev/drdbXをmke2fsコマンドなどでファイルシステムを作成し、任意のマウントポイントにマウントしておく。
3. DRBD ARKパッケージがインストールされていること

   この点についてはLKDRと同様である。パッケージ名は「steeleye-lkDRBD-<バージョン>.<アーキテクチャ>.rpm」となっている。DRBD ARKをインストールすると、主要な関連ファイルは以下のパスに格納される。

/opt/LifeKeeper/subsys/scsi/resources/drbd/

   以上が確認できたらGUIクライアントからリソース作成ウィザードを使用してDRBDリソースの作成を行う。DRBDリソースの設定を行う時、ウィザードから作成するリソースを選択する「Select Recovery Kit」から「Filesystem Resource」を選択する。「DRBD Resource」という項目はないのでご注意いただきたい。

画面名 選択・入力内容
Select Recovery Kit Filesystem Resource(注6)
Switchback Type Intelligent
Server プライマリサーバ名を選択
Mount Point /DRBD(注7)
Root TAG DRBD(注8)

表4:DRBDリソース作成ウィザードの設定項目と設定例

※注6: DRBDリソースはFilesystem Resourceを選択する。共有ストレージを使用して共有ファイルシステムを作成する場合と同じである。
※注7: Mount Pointは/dev/drbdXデバイスをマウントしたものを選択する。
※注8: 「Root TAG」とはそのリソースの依存関係において最も上位(親)となるリソースのTAG名を指すが、ここでは単純に作成したリソース名と考えておくとよい。

   続いて拡張作業に入る。拡張作業における設定項目は表5の通りである。

画面名 選択・入力内容
Target Server スタンバイサーバ名
Switchback Type Intelligent
Template Priority 1
Target priority 10
Mount Point /DRBD
Root Tag DRBD

表5:DRBDリソースExtendウィザードの設定項目と設定例

   以上の設定内容で作成したリソースが図4の画像になる。

DRBDリソース完成図
図4:DRBDリソース完成図

   DRBD ARKは、書き込み完了とするタイミングや同期処理、同期中の障害が発生した場合の制御についてDRBD自体の設定によって変更することができる。この設定に関してはDRBDのマニュアルなどを参照してほしい。動作の確認についてはLKDR同様アクティブ側でファイルを作成し、スイッチオーバーさせた後スタンバイ側でも同じデータを確認できるかどうかを見るとよい。


終わりに

   共有ファイルシステム、LKDRとDRBD ARKの紹介は以上である。

   冒頭でも述べた通り、共有ファイルシステムを構成するときには共有ストレージが多く使用される。共有ストレージを使用した場合クラスタノードでは単一のデータ領域を使用するため、同期制御を行う必要がない。ディスクの切り替えはハードウェア的に行われ、より安定した共有ファイルシステムを構築することができる。

   しかし、機器が高価な上にストレージの接続や設定において専門的な知識を必要とする場合があるため、システムによってはそれほどのものが必要ない場合も考えられる。そういった場合は今回紹介したLKDRやDRBD ARKを使用することをご検討いただきたい。また、検証などの要件で気軽にHAクラスタを構成したいといった場合にも最適である。

   次回は「MySQL ARK」と「Oracle ARK」を紹介する。これら2つをはじめとしたデータベースを保護するARKは、設定を行う上でファイルシステムリソースが必須となる。次回以降の連載において共有ファイルシステムを使用するケースがある場合は、今回の記事を参考にしていただければ幸いである。

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サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
サイオステクノロジーにおいて、SteelEye LifeKeeperの技術サポートや構築支援を行うエンジニア集団。日本国内で、彼ら以上にLifeKeeperを知る者たちはいないと自負している。世の中のすべてのHAクラスタがLifeKeeperになることを夢見て日々奮闘を続けている。


サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章
監修者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  小野寺 章
インフラストラクチャービジネスユニット
エンタープライズソリューション部 部長
国産汎用機メーカに入社し、汎用機のSEを10数年担当、1994年頃からオープン・ダウンサイジングブームの到来とともにUNIX系OSを担当し、Solaris、HP/UXでSun Cluster、Veritas Cluster、MC/ServiceGuardなどを使用した、多数のミッションクリティカルシステムのHAシステム構築に従事。2001年ノーザンライツコンピュータ(現サイオステクノロジー)へ入社後、SteelEye LifeKeeperの総責任者としての国内での販売・サポート業務に従事。


INDEX
第7回:共有ファイルシステム「LKDR」と「DRBD ARK」
  はじめに
  1. HADRモジュールがインストールされている
  Hierarchy Typeの選択
2. DRBDデバイス(/deb/drbdX)でファイルシステムを作成、マウントする