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LifeKeeperのすべて
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第9回:LifeKeeperのコマンドライン操作
著者:サイオステクノロジー クラスタソリューショングループ
監修者:サイオステクノロジー  小野寺 章   2005/1/19
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ログの閲覧:lk_log

   障害発生時などには、管理者の仕事としてはリソースのステータスを確認することだけでなく、どのような障害を検出したのか、また動作上にエラーはなかったのかなどをログから確認することが必要となる。

   LifeKeeperのログは、テキスト形式で出力されていないため、付属のコマンドを通じて出力する必要がある。ここではlk_logコマンドを用いてログを確認する手法について簡単に触れておく。lk_logコマンドの基本的な使用方法は以下の通りである。

# lk_log [オプション] <ログ種別名>

   ログ種別名には確認したいログにあわせて表3の例のような項目を指定する。LifeKeeper本体の基本的な動作のログを確認したい場合には、「log」を指定することになる。

ログ種別名 概要
log LifeKeeper本体およびリソースの制御(起動・停止など)の主だったイベントがログとして記録される
LCM コミュニケーションパスを中心としたLCM(LifeKeeperコミュニケーションマネージャー)に関するログが記録される
GUI LifeKeeperのGUIサーバの起動やGUIクライアントからの接続ログが記録される
remote_execute コミュニケーションパスを通じて届いたリモートからのリクエストが記録される

表3:ログ種別名の指定項目の例

   上記のログ名称は一例であり、lk_logコマンドはさらに多くの種類のログ情報を閲覧することが可能だが、本連載では割愛する。詳細については「man lk_log」を参照してほしい。また本連載では基本的な使用方法の説明となるため、オプションの詳細についてはmanを参照していただきたい。

   ここでは、メインログである「log」をlk_logコマンドを用いて出力してみる。

# lk_log log | less
(出力略)
COMMUNICATION TO lk2.example.com BY 192.168.2.1/192.168.2.2 RESTORED AT:
日 x月 xx 15:41:10 JST 200x
COMMUNICATION TO lk2.example.com BY 192.168.1.1/192.168.1.2 RESTORED AT:
日 x月 xx 15:41:10 JST 200x
COMMUNICATIONS lk2.example.com RESTORED AT:
200x年 x月 xx日 日曜日 15:41:10 JST LifeKeeper:
Beginning automatic switchback check for resources from "lk2.example.com" at:
200x年 x月 xx日 日曜日 15:41:16 JST LifeKeeper:
Finished automatic switchback check for resources from "lk2.example.
com" at:
200x年 x月 xx日 日曜日 15:41:19 JST
RESOURCE PROTECTION ACTIVATED FOR lk2.example.com AT:
200x年 x月 xx日 日曜日 15:41:20 JST:

   lk_log単体ではlogを標準出力に出力して終了となるため、ここではlessにわたすことでスクロールを可能にしている。これによりコマンド実行時点までのログを確認することができる。

   lk_logコマンドの使用方法として、-fオプションと-czapオプションについて触れておく。


lk_logオプション1:-fオプション

   -fオプションを用いることで、コマンド実行後プロンプトに戻らずに出力の末尾を標準画面上にリアルタイムで表示しておくことができる。テストなどの際に操作ごとのLifeKeeperのログをリアルタイムで確認したい時などに用いるとよい。以下は、オプションの有無による挙動を示すための出力例である。

# lk_log log
(出力略)
// 出力終了後にはプロンプトに戻ってしまうため、
// 最新の情報を得るには再度実行しなくてはならない

# lk_log -f log
(出力略)
RESOURCE INITIALIZATION FINISHED AT:
2005年 x月 zz日 木曜日 20:24:58 JST
LIFEKEEPER NOW RUNNING AT:
2005年 x月 zz日 木曜日 20:24:59 JST
COMMUNICATION TO lk2.example.com BY 192.168.2.1/192.168.2.2 RESTORED AT:
木 x月 zz 20:40:22 JST 2005
COMMUNICATION TO lk2.example.com BY 192.168.1.1/192.168.1.2 RESTORED AT:
木 x月 zz 20:40:22 JST 2005
COMMUNICATIONS lk2.example.com RESTORED AT:
2005年 x月 zz日 木曜日 20:40:22 JST
// -fをつけることで、画面上にログ出力末尾10行が常駐している状態となる
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サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
サイオステクノロジーにおいて、SteelEye LifeKeeperの技術サポートや構築支援を行うエンジニア集団。日本国内で、彼ら以上にLifeKeeperを知る者たちはいないと自負している。世の中のすべてのHAクラスタがLifeKeeperになることを夢見て日々奮闘を続けている。


サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章
監修者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  小野寺 章
インフラストラクチャービジネスユニット
エンタープライズソリューション部 部長
国産汎用機メーカに入社し、汎用機のSEを10数年担当、1994年頃からオープン・ダウンサイジングブームの到来とともにUNIX系OSを担当し、Solaris、HP/UXでSun Cluster、Veritas Cluster、MC/ServiceGuardなどを使用した、多数のミッションクリティカルシステムのHAシステム構築に従事。2001年ノーザンライツコンピュータ(現サイオステクノロジー)へ入社後、SteelEye LifeKeeperの総責任者としての国内での販売・サポート業務に従事。


INDEX
第9回:LifeKeeperのコマンドライン操作
  コマンドラインからの操作
ログの閲覧:lk_log
  lk_logオプション2:-czapオプション
  構成の変更:lk_chg_value