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LifeKeeperのすべて
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第9回:LifeKeeperのコマンドライン操作
著者:サイオステクノロジー クラスタソリューショングループ
監修者:サイオステクノロジー  小野寺 章   2005/1/19
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コマンドラインからの操作

   LifeKeeperの特徴として、GUIにより一通りの構築・運用のための手順が提供されているという点があげられるが、運用環境による制約などから特定の操作をコマンドラインから実行するという要望も多い。

   今回はLifeKeeperを使用したHAシステムの運用時・障害時に利用可能なコマンドラインからの操作について、使用頻度が高いコマンドを例にとって説明する。想定するクラスタ構成は表1の通りである。
ホスト名 lk1 lk2
eth0 192.168.1.1/24 192.168.1.2/24
eth1 192.168.2.1/24 192.168.2.2
HAクラスタ化対象 app-ThinkIT(注1:Generic ARKとして作成)
ip-192.168.1.101(VIPリソース)
コミュニケーションパス1 192.168.2.1/192.168.2.2(プライマリ)
コミュニケーションパス2 192.168.1.1/192.168.1.2

表1:想定するクラスタ構成

※注1: Generic ARKとは、既存のARKが提供されていないアプリケーションをユーザ定義のスクリプトを用いてHAクラスタ化するためのLifeKeeperの機能である。Generic ARKについては本連載で後ほど紹介するので、参照していただきたい。

   紹介するコマンドはそれぞれ、/opt/LifeKeeper/bin以下に格納されている。そのため、今回は.bash_profile内に以下の定義が記載されているものとする。

export PATH=/opt/LifeKeeper/bin:$PATH

   それでは、早速使用頻度の高いコマンドから紹介していく。


ステータスの確認:lcdstatus

   コマンドラインからHAシステムのステータス情報を得るlcdstatusコマンドは、最も使用頻度の高いコマンドといってよい。例えば、リモートからの実行時などは環境上の制約があり、GUIからの確認が行えない場合やより詳細な情報を得たい場合などに本コマンドを使用する。基本的な書式としては以下のようになる。

lcdstatus [-d <対象のサーバ名>] [ オプション ]

   「-d <対象サーバ名>」を省いた場合にはローカルのサーバ上のステータスを表示することになる。本連載では、最も基本的な使用方法の説明のみとなるため、詳細は「man lcdstatus」で確認していただきたい。

   まずは、最も冗長な出力を得ることができるようにオプションを使用せずにlcdstatusコマンドを実行してみる。

# lcdstatus
Resource hierarchies for machine "lk1":

ROOT of RESOURCE HIERARCHY
app-ThinkIT: id=app-RSS app=gen type=app state=ISP
   initialize=(AUTORES_ISP) automatic restore to IN-SERVICE by LifeKeeper
   reason=restore action has succeeded
   depends on resources: ip-192.168.1.101
   Local priority = 1
   SHARED equivalency with "app-ThinkIT" on "lk2", priority = 10
      FAILOVER ALLOWED
ip-192.168.1.101: id=IP-192.168.1.101 app=comm type=ip state=ISP
   initialize=(AUTORES_ISP) automatic restore to IN-SERVICE by LifeKeeper
   info=lk1 eth2 192.168.1.101 ffffff00 eth3
   reason=restore action has succeeded
   these resources are dependent: app-ThikIT
   Local priority = 1
   SHARED equivalency with "ip-192.168.1.101" on "lk2", priority = 10
      FAILOVER ALLOWED

The following LifeKeeper machines are known:
   machine=lk1state=ALIVE
   machine=lk2state=ALIVE

The following LifeKeeper network connections exist:
   to machine=lk2 type=TCP addresses=192.168.2.1/192.168.2.2
      state="ALIVE" priority=1 #comm_downs=0
   to machine=lk2 type=TCP addresses=192.168.1.1/192.168.1.2
      state="ALIVE" priority=2 #comm_downs=0

The shutdown strategy is set to: do_not_switchover.

   LifeKeeperのリソースのステータスを含めた詳細な情報や、コミュニケーションパスのステータスを含めてクラスタ全体の設定に関する情報が表示される。ここでは、各出力についての詳解は割愛する。

   lcdstatusコマンドをオプションなしで実行すると、リソースが内部に保持する情報まで出力されるため、障害時などに詳細な情報を得たい場合には有用だがリソースの依存関係や状態などについての視認性には欠ける。

   より簡潔にリソースの依存関係と状態を確認する場合には、以下のように-eオプションを用いる。

# lcdstatus -e
BACKUP TAG ID STATE PRIO   PRIMARY
lk2 app-ThinkIT app-ThinkIT ISP 1 lk1
lk2 ip-192.168.1.101 IP-192.168.1.101 ISP 1 lk1
// ↑↑リソースに関する情報を表示する
// ↓↓コミュニケーションパスに関する情報を表示する
MACHINE NETWORK ADDRESSES/DEVICE STATE   PRIO  
lk2 TCP 192.168.2.1/192.168.2.2   ALIVE 1  
lk2 TCP 192.168.1.1/192.168.1.2   ALIVE 2  

   -eオプションをつけることで、状況の確認に必要な最小限の情報を整形して出力する。

   出力例の上段がリソースのステータスを、下段がコミュニケーションパスの情報を示している。リソースのステータス表示部分では、字下げを使用してリソースの依存関係も確認することができる。

   出力例では「app-ThinkIT」の子リソースとしてIPリソース(ip-192.168.1.101)が定義されていることがわかる。さらに、リソースのステータス(STATE)欄がISP(In-Service Protected)となっていることからリソースが正常に起動していることがわかる。リソースのステータスとしての出力には他に表2のような例がある。

ISU
(In Service Unprotected)
リソースは起動しているが、バックアップサーバが停止しているなどの理由で障害時の切り替え先がない状態にある
OSF
(Out of Service Failed)
リソースは、直前の起動処理に失敗したなどの理由で停止している
OSU
(Out of Service Unimpaired)
リソースは、手動で停止処理を行ったなどの理由により正常に停止している
ILLSTATE
(resource in illegal state)
初期化中であるなど、まだリソースの状態を取得できていない。起動直後などに一時的に見られる状態である

表2:リソースのステータス

   またコミュニケーションの情報表示部分では、コミュニケーションパス一覧とともに状態(ALIVEもしくはDEAD)が表示される。

   GUIのように両系の状態を即座に確認できるというわけではないが、これらのコマンドを用いることによりGUIの環境がなくても状態を確認することができる。以上がlcdstatusコマンドの基本的な使用方法となる。

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リファレンスサイトの紹介
本連載のリファレンスとなるWebサイトです。本連載に対するご意見、ご要望などもお寄せください。

■LifeKeeper製品詳細情報
http://www.10art-ni.co.jp/product/lifekeeper/

■SteelEye Technology Inc.(開発元)
http://www.steeleye.com

■LifeKeeperに関するお問合せ
https://www.10art-ni.co.jp/contact/form-lifekeeper_ssl.html
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
サイオステクノロジーにおいて、SteelEye LifeKeeperの技術サポートや構築支援を行うエンジニア集団。日本国内で、彼ら以上にLifeKeeperを知る者たちはいないと自負している。世の中のすべてのHAクラスタがLifeKeeperになることを夢見て日々奮闘を続けている。


サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章
監修者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  小野寺 章
インフラストラクチャービジネスユニット
エンタープライズソリューション部 部長
国産汎用機メーカに入社し、汎用機のSEを10数年担当、1994年頃からオープン・ダウンサイジングブームの到来とともにUNIX系OSを担当し、Solaris、HP/UXでSun Cluster、Veritas Cluster、MC/ServiceGuardなどを使用した、多数のミッションクリティカルシステムのHAシステム構築に従事。2001年ノーザンライツコンピュータ(現サイオステクノロジー)へ入社後、SteelEye LifeKeeperの総責任者としての国内での販売・サポート業務に従事。


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INDEX
第9回:LifeKeeperのコマンドライン操作
コマンドラインからの操作
  ログの閲覧:lk_log
  lk_logオプション2:-czapオプション
  構成の変更:lk_chg_value
LifeKeeperのすべて
第1回 HAクラスタの基本とLifeKeeper
第2回 LifeKeeper for Linuxのインストール
第3回 LifeKeeper for Linuxの操作
第4回 LifeKeeper for Windowsのインストール
第5回 LifeKeeper for Windowsの操作(前編)
第6回 LifeKeeper for Windowsの操作(後編)
第7回 共有ファイルシステム「LKDR」と「DRBD ARK」
第8回 MySQL/OracleとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第9回 LifeKeeperのコマンドライン操作
第10回 Microsoft SQL ServerとLifeKeeperによるHAクラスタ化
第11回 LifeKeeper Data Replication For WindowsとDisk-to-Disk Backup
第12回 様々なアプリケーションのHAクラスタ化を実現するGeneric ARK
第13回 ハードウェア冗長化
第14回 LifeKeeperの管理 - ログの確認方法とSNMPの設定
第15回 LifeKeeperの今後のロードマップと展望
徹底比較!!クラスタソフトウェア
第1回 クラスタソフトウェアの導入にあたって
第2回 日本が生んだ、ビジネスを守る信頼のブランド「CLUSTERPRO」
第3回 GUI操作だけでHAクラスタが構成できる「LifeKeeper」
第4回 企業情報システムとともに進化するClusterPerfectシリーズ
第5回 富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER」
第6回 Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ
第7回 Red Hat Cluster Suiteの紹介
第8回 Windows Serverにおけるクラスタソフトウェアの進化
第9回 オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」によるHAクラスタ
第10回 クラスタソフトウェア導入に際しての注意点
HAクラスタソフトウェアの市場動向
市場からみるHAクラスタソフトウェアの採用動向