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CMS
最新CMS導入ガイド〜ビジネスCMSの可能性〜

第1回:CMSとは
著者:彼方  金子 明敏   2006/2/3
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CMSの選定基準

   先までで解説してきたメリットを、CMSの機能に当てはめたのが表2になります。
CMSの主な基本機能
表2:CMSの主な基本機能
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


CMSの種類と動向

   次にCMSの種類と最近の動きについて見ていきましょう。まず図3をご覧ください。CMSによるサイト更新作業の流れを示したものです。

CMSによるサイト更新作業概念図
図3:CMSによるサイト更新作業概念図
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   CMSが扱う素材データは図3の左側にある「テキスト、画像、動画、音声など」のあらゆるフォーマットのデータです。これらをデータベースで管理し、常に最新の状態で共有できます。またこれらのグルーピングやアクセス制限も可能です。

   またCMSの公開(パブリッシング)する対象は、上図の右側、Webサイト(公開サーバ、ステージングサーバ)やイントラネット、エクストラネット、製品別サイト、キャンペーンサイト、携帯電話向けサイトなど。これらの複数のサイトに対し、ワンソースから複数種類のページを生成し公開することも可能です。

   「ALAYA」のように配信方法のカスタマイズや、さらにはメールマガジンの配信まで行えるものもあります。


ドキュメント管理か、Webサイトコンテンツ管理か

   CMSには「ドキュメントマネジメント」に特化し、社内文書としてのコンテンツを管理、主にイントラネット、エクストラネットで使われる製品があります。これを主にECM(エンタープライズコンテンツマネジメント)と呼ばれています。

   ドキュメントマネジメントは、人材の流動が激しく業務ノウハウのデジタルドキュメント化とその履歴管理が円滑な企業活動に不可欠な米国で発展してきた分野で、そのローカライズ版が日本市場を開拓してきました。

   一方「公開」を目的としてコンテンツを管理する多くのCMSは、多様なWebコンテンツを扱うと同時に、以下のような「公開」の部分に特徴をもつ多彩な国産製品がそろいます。

   サーバ構成にあわせた配信や会員情報との連携によるパーソナライズ/リコメンド用のページの公開。さらにはECシステムやCRMシステムと連携し、CMS単体ではなく全体のシステムの一要素としてCMSを据える用途が最近伸びてきています。

   またパーソナライズ機能やコミュニティ機能と組み合わせ、「ポータルサイト構築ツール」としてCMSを扱う例もあります。


対象サイト規模

   対象とするサイトのページ数によって、小中規模(数1000ページ)、大規模(1万ページ以上)、エンタープライズ(大規模で、かつ企業の他システムとの連携により統合的な管理が可能)と分類されることがあります。実際には制限やオプションによりそのいずれにも対応提供可能な製品が少なくありません。


オープンソース系とブログツール

   CMS市場で最近話題なのがこの2つです。まずはオープンソース系のCMSですが、導入企業が自力で日本語化を行うケースもあり、機能的にもまだアーリーステージといえます。しかし最近はSIerがその上で高機能なCMS機能を実現するアプリケーションを開発したり、ASPサービスやよりトータルなシステム構築を提供する事例がでてきています。

   もう1つの話題「ブログツール」のCMS的な利用については、次から詳しく見ていきます。

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彼方株式会社
1995年よりWebマガジン「teleparc:テレパーク」(運営:富士通)の企画・制作・運営を行っていたテレパーク編集部が母体となり2001年に独立。企業・自治体サイトから中田英寿オフィシャルホームページといったエンターテインメント系サイトまで、自社製CMS を主軸にきめの細かいソリューションを提供中。
http://www.kanata-jp.com/

彼方コンテンツマネジメントシステム「ALAYA(アラヤ)」
10年以上にわたるWebサイト構築・運営経験を元に、制作現場のニーズを反映し開発したコンテンツマネジメントシステム。Webサイト運営の効率化はもとより、アクセシビリティ・コンプライアンス・情報セキュリティといった近年のWebサイトに求められる要件にお応えします。
http://www.kanata-jp.com/product/index.html

彼方株式会社  金子 明敏
著者プロフィール
彼方株式会社  金子 明敏
1995年から10余年にわたるWebサイト構築・運営のノウハウを活かし、自社開発したコンテンツマネジメントシステム「ALAYA」のプロダクトマネージャ。


INDEX
第1回:CMSとは
  CMSの導入メリット
CMSの選定基準
  「ビジネスCMS」と「コンシューマCMS」