ストレージ管理の標準化
第1回:ストレージ管理の必要性
著者:シマンテック
ストレージ管理の必要性
「ストレージにお金はかからない」これは明らかに誇張表現ですが、パソコンのユーザー、エンタープライズストレージシステムの営業担当、アプリケーション設計者など、いつか役に立ちそうなデータをすべてディスク上に保存しようする方々がよく口にする言葉です。
その理由としてよく指摘されるのは、磁気ディスクの価格が大きく下がってきいることです。さらに、データセンターの場合は、新しいストレージネットワーク相互接続技術によって、大規模なシステム展開を柔軟に実施できるようになりました。また、コストの違いに基づいてストレージを多層化することも可能になっています。
しかし、CIOやIT部門の責任者やシステム管理者は、ストレージにはお金がかかることをよく知っています。特に組織の規模が大きければ、ストレージはIT関連の経費の中でかなりの比率を占めることになります。
オンラインストレージの増加
Forrester Researchという研究分析団体では、米国の2005年第2四半期のIT関連支出に関して次のような予測を立てました。「2005年と2006年の予算の中で最も大きく増加するのは、コンピュータ機器です。米国では、この分野の総支出が2005年に12%、2006年には13%増えると予想されます。
各企業は2001年から2002年にかけてのIT不況の休眠期を抜け、2003年、2004年、そして2005年現在まで、コンピュータ機器をアップグレードしており、パソコン、ストレージハードウェア、ブレードサーバーへの設備投資の結果として支出が増加します。」(2005年9月23日、「US ITSpending In Q22005: Still Tracking Forecast」、Andrew Bartelsによる)
Forrester は、ヨーロッパ市場についても同じような見通しを立てました。「ハードウェア関連の投資に目を向けると、ストレージとサーバーのハードウェアで、30 %を超える企業の需要の増大が見込まれます。一方、コンサルティングやアプリケーション管理のアウトソーシングといったIT関連サービスの需要は引き続き穏やかな動きになると予想されます。」(2005年12月20日、「Europe’s ITSpending Outlook For2006」、Manuel Angel Mendezによる)
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - 管理編
第1回:外部ストレージの設定と運用について
著者:日本ヒューレットパッカード 古賀 政純
RHEL4における外部ストレージへの接続
今回から「管理編」として、実際にRHEL4を運用から管理まで行うために知っておきたい情報を解説していきます。まず今回は外部ストレージの接続や設定について紹介しましょう。
ファイルサーバやデータベースサーバなどミッションクリティカルなサーバでは、障害が発生してもサービスを継続する必要があるために、高可用性ソフトウェアを組み込んだHAクラスタシステムとして構築する場合がほとんどです。この場合、顧客データはクラスタを構成する複数のサーバと接続された共有ストレージ上に保存しますが、大規模なシステムにおいては高いパフォーマンスが要求されるため、Fibre Channel接続型のストレージが採用されることが一般的です。
Fibre Channel接続型のストレージはSCSI型と比べて転送速度が速く、ストレージ自体もSCSIのそれに比べて多機能です。またHAクラスタソフトウェアによるアプリケーションのフェイルオーバだけでなく、ストレージのコントローラやFibre Channelの経路の冗長化とフェイルオーバの機能も必要になります。
Linuxでは外部ストレージへの接続形態として主にSCSI形式とFibre Channel形式がありますが、大規模システムではFibre Channel接続が一般的です。
そこで今回は、Linuxシステムにおける小規模向けのSCSI接続型ストレージと、中大規模システム向けのFibre Channel接続型ストレージの構築の基礎について説明していきます。
内蔵Smart ArrayコントローラによるSCSI外部接続とRHEL4のデバイス名の関係
ProLiantサーバに用意される内蔵RAIDコントローラには「Smart Arrayコントローラ」というものがあります。これは内蔵のローカルディスクへのチャネルと外部ストレージへのチャネルを持ち、外付けのSCSIストレージと容易に接続できる設計になっています。
ProLiantでは内蔵のSmart Array コントローラ配下のディスクとRHEL4上でのデバイス名の関係は「/dev/cciss/cXdY」となります。一方、Smart ArrayコントローラではないSCSIホストバスアダプタ配下のデバイス名は「/dev/sdX」となるのが一般的です。