改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - サーバ編
第1回:ブレードサーバとLinux
著者:日本ヒューレットパッカード 古賀 政純
ブレードサーバの導入が加速する理由
最近エンタープライズサーバとして、飛躍的に増えているのがブレードサーバです。ブレードサーバがエンタープライズシステムにおいて急速に導入されている主な理由としては、以下のようなものがあげられます。
- ラックあたりのサーバの集積密度を高めることが可能
- 結線作業の煩雑化を大幅に低減
- 障害発生時のハードウェア交換作業を簡素化
- OSやアプリケーションのインストールや配布などを管理ソフトウェアによって一元管理
- 管理ソフトウェアによりハードウェアコンポーネント(温度、ファン、電源)の物理管理が容易
- エンクロージャの空スロットにブレードを挿すことで、システム拡張性が大幅に改善
表1:ブレードサーバがエンタープライズシステムに導入されている理由
ブレードサーバが採用されている分野としては、その多くがWebサーバやWebアプリケーションサーバ、メールサーバなどのエッジサーバに使われています。またHPC(High Performance Computing)の分野で使われる超並列計算機としても利用されています。
最近ではSANストレージにデータベースを持ち、ブレードサーバを接続したHAクラスタなどの高い耐障害性を要求されるシステムにもブレードサーバが導入されることもあります。
RFIDによるシステム構築
第1回:RFIDとは
野村総合研究所 藤吉 栄二
はじめに
ユビキタスネットワーク社会を実現するツールの1つとして、RFIDに注目が集まっている。「RFIDを利用すれば、リアルとバーチャルの融合が実現する」「トレーサビリティ(追跡可能性)を実現し、きめ細かい商品管理ができる」「大量の商品を一気にスキャンできる」など様々な可能性が語られる一方で、「RFIDはまだ使えない」「使えるようになってきた」と評価の段階に入ってきた。
現在のRFIDブームは、2003年に設立されたEPCグローバル(それまではAutoIDセンター)や小売最大手のウォルマートが2003年に発表したRFID導入プログラム(「ウォルマート マンデート」ともいわれる。)、さらに日本における超小型ICチップの開発やユビキタスIDセンターの活動など様々な要因によるところが大きい。他方で、先のような評価がでてくることは、先行する期待の大きさに対して、RFIDの導入には様々な検討課題があることの証ともいえよう。
本連載ではRFIDとはそもそも何か、利用事例やシステム構築上のポイント、課題などを数回に渡って紹介する。