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即活用!企業システムにおけるプロジェクト管理
「即活用!企業システムにおけるプロジェクト管理」

第6回:組織管理

著者:システムインテグレータ  梅田 弘之   2005/1/17
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説明の中で、(I1)や(S2)などの記号が出てきますが、これは第1回で使ったプロジェクト管理状況チェック表のNo.と対応しています。チェック表で明らかになった問題点に対応する部分は、特に注意して読んでみてください。
組織管理の3つのプロセス

   PMBOKの知識エリアの1つ、「Human Resource Management」を直訳すると「人的資源管理」になりますが、「要員管理」や「人材管理」、「組織管理」などとも呼ばれています。ここではプロジェクト体制を計画・組織することに重点を置いて、「組織管理」という日本語にしておきます。

   表1は、PMBOKの組織管理における3つのプロセスです。「組織計画」、「要員の調達/確保」という2つの計画プロセスと、「チーム結成/育成」という実行プロセスに整理されています。

管理
エリア
プロセス 入力 ツールと実践技法 出力
Human
Resource
(組織管理)
組織計画(計画) プロジェクトインタフェース
必要要員の予測
制約情報
組織編制標準
人事慣行
組織理論
ステークホルダー要求項目の検討
責任分担表
配員計画書
組織編成表
詳細バックアップ資料
要員の調達/確保(計画) 配員計画書
配員プールの要求記述書
雇用慣習
配員折衝
先行配員
要員調達
プロジェクト遂行要員
プロジェクトチーム名簿
チーム結成/育成(実行) プロジェクト遂行要員
プロジェクト計画書
配員計画書
進捗報告書
外部関係者のアドバイス
チーム育成活動
一般的なマネジメントスキル
成果報酬・表彰規定
同一場所での執務
教育訓練
業務遂行能力の向上
業務評価への基礎情報

表1:PMBOKのHuman Resource Managementの3つのプロセス



組織計画
組織計画とプロジェクト体制図

   プロジェクトの立ち上げ時に最初に行う作業は、プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)の選任で、これはPMBOKのスコープ管理の立ち上げプロセスの範疇になっています。組織管理で最初にやらなければならないことは、プロジェクト体制の構築です。彼らが中心になってプロジェクト体制を計画します。

   規模が大きな場合はサブシステム単位でサブリーダーを置き、アプリケーション開発以外にも基盤技術チームやデザイナーも必要になるでしょう。この段階では、まだ完全に要員がアサインされていませんが、プロジェクトを遂行するために必要な体制を「プロジェクト体制図」に描き出すということが重要になります(H1)。図1は、弊社のプロジェクト管理手法PYRAMIDで使っている「プロジェクト体制図」のテンプレートです。プロジェクト体制図を作成する際のポイントは次の3点です。

  • プロジェクトスタート時に速やかに作成する(未確保の要員は匿名で記載)。
  • 自社側だけでなく、ユーザー側の体制も明らかにする。
  • コンサルタント会社や協力会社などプロジェクトに関るメンバーは明記する。

プロジェクト体制図
図1:「プロジェクト体制図」のテンプレート
(画像をクリックするとEXCELファイルをダウンロードできます。/34KB)

   書式は規模や立場など状況に応じて柔軟に変更しても良いことにしています。1枚で書きにくい場合は複数枚にしてもかまいません。この例ではSEやPGを名前入りで記述していますが、まだ要員の目処が立っていないようであればSE 2名、PG 3名というように人数を記載してもかまいません。また、ここではユーザー側の体制や協力会社側の体制を同じシートで表していますが、これも別シートにしても構いません。肝心なのは、こちら側の体制だけでなくユーザーや協力会社側の体制も明らかにしてもらうことなのです(H2)。

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システムインテグレータ
著者プロフィール
株式会社システムインテグレータ  梅田 弘之
東芝、住商情報システムを経て1995年にシステムインテグレータ社を設立。 常駐・派遣主体の労働集約的な日本のソフトウェア業の中で、創造性にこだわってパッケージビジネスを行っている。 国際競争力のない日本のIT産業が、ここから巻き返しを図るための切り札は「プロジェクト管理」だと信じ、実践的なプロジェクト管理手法「PYRAMID」を自社開発している。


INDEX
第6回:組織管理
組織管理の3つのプロセス
  リソースヒストグラム
  調達/確保の役割
  チーム結成/育成