 |
|
前のページ 1 2 3 4 次のページ
|
 |
ログの変換・解析
|
まず"Log Parser Sample"というサンプル・プロジェクトを使用してログの変換と解析について解説します。
Eclipse TPTPでのログの解析は、ログを読み込んで共通基本イベントに変換し専用ビューで解析するという流れになります。
サンプル・プロジェクトに付属している以下の形式のログを共通基本イベントに変換します("example.log"というファイル名で添付されています)。
"example.log"
|
Initialized on Jan 4, 2003<br>
The following errors occurred while attempting to launch the x program...
## <Error> <02.22.03.10.53.22> Missing library file 00000000.000
## <Error> <02.22.03.10.53.22> Missing class 00000001.000
## <Error> <02.22.03.10.53.22> Missing Environmental Variable 00000002.000
## <Error> <02.22.03.10.53.22> Exception 00000003.000
## <Warning> <02.22.03.10.53.22> Connection without a firewall 00000004.000
System idle...
Host names connecting...
host1.domain.com
host2.domain.com
host3.domain.com
## <Information> <02.22.03.13.11.10> First time user: host3.domain.com 00000005.000
## <Information> <02.22.03.13.11.10> Performing security check host3.domain.com 00000005.001
Security check: host3.domain.com...
## <Warning> <02.22.03.13.11.11> host3.domain.com does not meet security requirements 00000005.002
Disconnecting host3.domain.com...
## <Information> <02.23.03.13.11.12> host3.domain.com has been disconnected 00000005.003
System idle...
|
このログの仕様は表2の通りです。
- 「##」ではじまる行を解析対象とします
- 1番目の要素はメッセージの重要度を表します(「Information」「Error」「Warning」など)
- 2番目の要素はメッセージのタイムスタンプです。フォーマットは「<月>.<日>.<年>.<時>.<分>.<秒>」の形式とします
- 3番目の要素はメッセージを表す文字列です
- 最後の要素はメッセージのレコードIDです
表2:ログの仕様
それでは実際の手順を解説します。
まずプロジェクトを作成します。「File → New → Example」を選択して「New Example」ウィンドウを開きます。「Wizards」欄の「Examples → Logging」ツリーを展開して「Next」をクリックしてください。「New Example」ウィンドウが開くので「Name」欄に任意の名前を指定して「Finish」をクリックします。今回のプロジェクト名は"LogParserProject"とします。
このサンプル・プロジェクトで使用するログのパーサはEclipseプラグインとして動作します。したがってランタイム・ワークベンチを起動する必要があります。ランタイム・ワークベンチを起動するには「Run → Run」を選択します。次に「Configurations」欄の「Eclipse Application」を選択して「New」をクリックしてください。任意の名前を指定して「Run」をクリックすればランタイム・ワークベンチが起動します。
ランタイム・ワークベンチが起動したら「File → Import」を選択します。「Import」ウィンドウが開くので「Log File」を選択して「Next」をクリックしてください。表示された「Import Log File」ウィンドウでは、共通基本イベントに変換するログファイルを指定します。
まず「Add」をクリックしてください。「Add Log File」ウィンドウが開いたら「Selected log files」欄で「Simple Parser V1.0」を指定し、下部の「Deltails」タブで読み込むログファイル(今回は"example.log")の場所とアプリケーションのバージョンとリリースの識別子(任意の値でかまいません)を指定して「OK」をクリックします(図1)。

図1:インポートするログファイルの選択 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
「Import Log File」ウィンドウにログファイルが追加されていることを確認して「Finish」をクリックします。
これでログの変換が完了しました。それでは先ほど変換したログを確認してみましょう。まず「Profiling and Logging」パースペクティブの「Log Navigator」ビューを開きます。「Logs」ツリーを展開して先ほど変換したログをダブルクリックすると「Log View」が開きます(図2)。

図2:共通基本イベントに変換されたログファイル (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
「Log Records」には重要度で色分けされたメッセージが表示され、「Property」には選択したメッセージの詳細が表示されます。また「Details analyzed」および「Analysis Result」については後ほど症状データベースの項で説明します。
|
前のページ 1 2 3 4 次のページ
|

|
|

|
著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ 益原 祐介
Javaスペシャリスト
九州大学文学部卒業。在学中は考古学の研究、遺跡の発掘作業を行う。その後、情報システムに興味を持ちビーブレイクシステムズに入社。徹底した社内教育によりJavaエンジニアとなる。現在は社内技術レポートの執筆や技術雑誌への寄稿を行い、社内の技術力の向上に貢献。
|
|
|
|