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LifeKeeperのすべて
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第2回:LifeKeeper for Linuxのインストール
著者:サイオステクノロジー クラスタソリューショングループ
監修者:サイオステクノロジー  小野寺 章   2005/12/1
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LifeKeeper for Linuxの入手方法

   LifeKeeper for Linux(以下LifeKeeper)はSteelEye社のサイトから無償でダウンロードでき、評価版ライセンスで評価することができる。ライセンスの具体的な入手方法は以下のURLに記載されているので参考にしていただきたい。
LifeKeeper製品の評価ライセンス入手方法について
http://www.10art-ni.co.jp/product/lifekeeper/documents/pdf/HowtoGet_EVAL_Code.pdf

   評価版は製品版とまったく同じであるが、30日間の評価ができる"評価ライセンス"が必要となる。上記ドキュメントに記載されている手順で評価ライセンスの要求を行うと、評価ライセンスと製品がダウンロードできるURLが記載されたEメールが送られてくる。

   今回ダウンロードするものは以下の3種類である。

Install Supportプログラム(ISOイメージ)
ダウンロードサイトにアクセスし、「Install」というディレクトリの「de.iso」というファイルをダウンロードする。
Core Application(RPMパッケージ)
ダウンロードサイトにアクセスし、「Core」というディレクトリに置いてあるRPMパッケージをすべてダウンロードする。
Application Recovery Kit(RPMパッケージ)
ARKのダウンロードリンクは評価ユーザごとに作成され、評価版要求時の質問票に記入していただいた評価希望のARKと評価ライセンスが置かれているので、これをすべてダウンロードする。

表3:ダウンロードするファイル

   そのほかにも「Documentation」ディレクトリにはドキュメントを収録したISOイメージがあるので必要であればダウンロードする。


インストール

   それでは必要なファイルが用意できたので、LifeKeeperのインストールをしていこう。インストール作業には表4の3つのステップがある。

  1. セットアップスクリプトの実行
  2. Core Application(RPMパッケージ)のインストール
  3. Application Recovery Kits(RPMパッケージ)のインストール

表4:インストール手順


セットアップスクリプトの実行

   セットアップスクリプトは、LifeKeeperを動作させるための条件のチェックやインストールディレクトリの作成、およびベースとなる基本ソフトのインストールを行うために用意されたスクリプトである。

   操作はすべてスーパーユーザで実施する。ダウンロードしたISOイメージをマウントして、セットアップスクリプトを実行する。以下の例では、/tmpにダウンロードしたファイル「de.iso」を/mnt/cdromにマウントしている。

# pwd
/tmp
# ls
de.iso
# mount -t iso9660 -o loop de.iso /mnt/cdrom
# /mnt/cdrom/setup
   セットアップスクリプトを実行すると、ターミナル上で対話形式のセットアッププログラムが起動する。各質問に対して「Yes」または「No」で回答をしていく。

   質問の項目は表5のようなものがあり、基本的にはデフォルト値で応答してかまわない。

  • カーネルバージョンの適合性のチェック
  • ディストリビューションにあわせたLifeKeeperソフトウェアのインストール
  • SCSI Genericデバイスの作成
  • JREのインストール
  • 特定のデバイスを制御するプログラムのインストール
  • /etc/modules.confの編集とカーネルRAMイメージの作成
  • ライセンスのインストール

表5:質問項目

   質問の最後はライセンスのインストールである。ここで「Yes」を選択するとライセンスの認証画面に進む。

   ライセンスの認証画面では、ライセンスをファイルで指定するか、直接コードを入力するかの2通りの方法を聞いてくる。ここで「Yes」とするとライセンスファイルの指定、「No」とすると直接ライセンスコードの入力を行うことになる。

   セットアップスクリプトが完了したらOSの再起動を行う。その時に起動されるのはブートローダのinitrdに「initrd-KERNEL-VERSION.ELLK.img」のエントリがあるラベルを起動するようになる。この変更はセットアップスクリプトが自動で更新をする。

   再起動が終了すれば、セットアップは完了である。同様にクラスタシステムを構成するすべてのサーバに対してセットアップスクリプトを実行する。

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サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
サイオステクノロジーにおいて、SteelEye LifeKeeperの技術サポートや構築支援を行うエンジニア集団。日本国内で、彼ら以上にLifeKeeperを知る者たちはいないと自負している。世の中のすべてのHAクラスタがLifeKeeperになることを夢見て日々奮闘を続けている。


サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章
監修者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  小野寺 章
インフラストラクチャービジネスユニット
エンタープライズソリューション部 部長
国産汎用機メーカに入社し、汎用機のSEを10数年担当、1994年頃からオープン・ダウンサイジングブームの到来とともにUNIX系OSを担当し、Solaris、HP/UXでSun Cluster、Veritas Cluster、MC/ServiceGuardなどを使用した、多数のミッションクリティカルシステムのHAシステム構築に従事。2001年ノーザンライツコンピュータ(現サイオステクノロジー)へ入社後、SteelEye LifeKeeperの総責任者としての国内での販売・サポート業務に従事。


INDEX
第2回:LifeKeeper for Linuxのインストール
  はじめに
LifeKeeper for Linuxの入手方法
  セットアップ後にライセンスのインストールをする場合
  LifeKeeperの起動と停止