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オープンソースXenによるサーバ仮想化 |
第4回:ゲストOSの構築方法
著者:平 初 2006/2/2
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Domain-U環境のネットワーク設定
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Domain-U環境のネットワークの設定を行います。なお、紙面に記載されているホスト名、IPアドレスなどは、ご自分のネットワーク環境にあわせて変更してください。まずホスト定義ファイルを記述します(ファイル2参照)。
ファイル2:Domain-U環境のホスト定義ファイル「/etc/hosts」
127.0.0.1 localhost localhost.localdomain
DNSを使いたい場合、DNSサーバ定義ファイルを記述します(ファイル3参照)。
ファイル3:Domain-U環境のDNSサーバ定義ファイル「/etc/resolv.conf」
nameserver 192.168.100.254
起動時にネットワークを有効化するためにシステム全体のネットワーク設定ファイルを記述します(ファイル4参照)。
ファイル4:システム全体のネットワーク設定ファイル「/etc/sysconfig/network」
NETWORKING=yes
HOSTNAME=fc4-guest
GATEWAY=192.168.100.254
起動時にネットワークインターフェース「eth0」を有効化するためにネットワークインターフェース設定ファイルを記述します(ファイル5参照)。
ファイル5:ネットワークインターフェース設定ファイル「/etc/sysconfig/network-script/ifcfg-eth0」
ONBOOT=yes
TYPE=Ethernet
DEVICE=eth0
BOOTPROTO=static
IPADDR=192.168.100.100
NETMASK=255.255.255.0
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Domain-U環境のネットワークの有効化
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Domain-U環境のネットワークを有効化します(コマンド16参照)。なお、serviceコマンドでホスト名は設定されないため、事前にhostnameコマンドにてホスト名を設定します。
コマンド16:Domain-U環境のネットワークの有効化
[fc4-guest]# hostname fc4-guest
[fc4-guest]# service network restart
Shutting down loopback interface: [ OK ]
Bringing up loopback interface: [ OK ]
Bringing up interface eth0: [ OK ]
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Domain-U環境からゲートウェイへ疎通確認
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Domain-U環境のネットワークの設定が間違っていないか確認するため、ゲートウェイへ対して疎通確認を行います(コマンド17参照)。
なお、ゲートウェイがICMPを受け付けない場合は、Domain-0環境のIPアドレスへ疎通確認を行います。ネットワークの疎通確認がうまく行けばDomain-Uの構築作業は完了です。
コマンド17:Domain-U環境からゲートウェイへ疎通確認
# ping -c 5 192.168.100.254
PING 192.168.100.254 (192.168.100.254) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.100.254: icmp_seq=0 ttl=64 time=11.3 ms
64 bytes from 192.168.100.254: icmp_seq=1 ttl=64 time=0.561 ms
64 bytes from 192.168.100.254: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.564 ms
64 bytes from 192.168.100.254: icmp_seq=3 ttl=64 time=0.584 ms
64 bytes from 192.168.100.254: icmp_seq=4 ttl=64 time=0.563 ms
--- 192.168.100.254 ping statistics ---
5 packets transmitted, 5 received, 0% packet loss, time 4010ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.561/2.716/11.309/4.296 ms, pipe 2
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Domain-Uの停止方法
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Domain-Uの停止方法は簡単です。Domain-Uにて、poweroffコマンドでも、「shutdown -h now」でもかまいません。なお、Domain-Uを停止せずにDomain-0へ戻る場合は、Ctrl + ]を押します。
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まとめ
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今回は、Xen上で動作するDomain-Uの構築方法を解説しました。
Domain-U環境を作るのは少々面倒な作業ですが、一度ベースとなるものを作っておけば、複製も簡単に行えます。Domain-Uを停止させた状態でディスクイメージをコピーすればシステムバックアップを行うことが可能です。
さて、これまでの連載で仮想マシンとサーバ仮想化の概念、仮想化インフラXenの構築方法について理解が深まったでしょうか。紙面で伝えきれなかった点もあるかと思います。今年も都内でXenの勉強会を行う予定です。もしさらに詳しく知りたい方は、ぜひともご参加ください。あなたの疑問、質問にFace to Faceでお答えします。
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著者プロフィール
平 初(TAIRA Hajime)
仕事では、Linuxを中心としたシステムのコーディネーション、技術サポート、仮想マシンソフトウェアのデモンストレーションなどを行っている。オープンソースの活動としては、Open Source Conference、Fedora JPの勉強会などで講師、またLinux関連書籍の執筆活動を行っている。最近は、サーバ向け仮想マシンソフトウェアXenの勉強会を積極的に行っている。
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