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ブレードサーバによる仮想化テクノロジーの活用
第3回:仮想化テクノロジーの動向と未来
著者:
日本ヒューレット・パッカード 森田 宏
2006/2/27
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仮想化ソフトウェアの特長
x86サーバでの仮想化ソフトウェアには、従来からこの分野をリードしてきたVMwareのソフトウェアが有名だが、MicrosoftのVirtual Server 2005が加わり、選択肢が広がっている。
またオープンソースの世界ではXenというプロジェクトが、最近になって注目されるようになってきた。今後、このような新たなプレーヤが入ってくることにより、さらにこの分野の発展が加速すると考えられる。
仮想化ソフトウェアの実装方法
x86サーバへの仮想化ソフトウェアの実装方法として、現状は大きく分けて2つの実装方法がある。
1つは、ホストOS(Microsoft Window Server 2003やRed Hat Enterprise Linux、Novell SUSE LINUX Enterpriseなど)に、仮想化ソフトウェアをミドルウェアのような形でインストールして、仮想サーバを作る方法である。VMware GSX ServerおよびVMware ServerやMicrosoft Virtual Serverが代表的な製品だ。
もう1つは、仮想化ソフトウェア自体が専用のOSを持っていて、それにより仮想化の環境を完結できるという方法で、VMware ESX Serverがそれに当たる。
図2:仮想化ソフトウェアの実装方法
これらの実装の方法によりリソース管理やパフォーマンス、および物理サーバの選択の幅などが変わってくる。またそれぞれのソフトウェアにより、仮想化の機能なども異なるので、ここでは最も普及しているVMwareを中心に紹介する。
用途に応じた仮想化を提供するVMware
VMware ESX ServerおよびVMware GSX Serverは、VMwareから2001年に最初のバージョンがリリースされ、x86サーバ用の仮想化ソフトウェアにおける草分け的存在である。
VMware ESX Serverは、大量のデータを処理するアプリケーションや、要求の厳しいアプリケーションを扱う大規模エンタープライズ環境に適したスケールアップツールである。CPUあたり最大8つの仮想マシンをサポートできるという、最大の統合能力を持っている。また、専用のカーネルと動的なリソース割り当て機能を持ち、ホストマシンのパフォーマンスを最大限発揮できるように設計されている。
VMware GSX Serverは、リソースへの要求がそれほど厳しくないアプリケーション環境などの小規模な部門に適したソフトウェアだ。ホストOSとして、WindowsまたはLinuxのいずれかの上で動作させることができる。
このVMware GSX Serverは、無償提供される後継製品のVMware Serverに移行されていく予定だ。ホストOS上に仮想化ソフトウェアをインストールして、仮想化環境を作るという点は基本的に変わらないが、後述のハードウェアベースの仮想化機能やVMware ESX ServerでサポートされているVirtual SMPなど、いくつかの新機能を利用することもできるようになる。現在、VMwareのWebサイトから、β版がダウンロードできるようになっている。
いずれも、仮想化された複数の物理サーバを一括管理できるVirtual Centerというソフトウェアがサポートされており、管理面が充実している(VMware ServerのVirtual Center対応は将来リリース版を予定)。
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著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社 森田 宏
テクニカルセールスサポート統括本部IAサーバ技術部 部長。
1995年にコンパック(現日本ヒューレット・パッカード)へ転職後、一貫してx86サーバProLiantの技術支援に従事。HPの技術支援部隊を率いる傍ら、新製品の技術的な啓蒙を中心に活動を続ける。現在は「ブレードサーバ」と「仮想化技術」の導入促進に取り組む。
INDEX
第3回:仮想化テクノロジーの動向と未来
サーバの統合とサーバの仮想化
仮想化ソフトウェアの特長
VMware ESX ServerとVMware GSX Serverの違い
仮想化ソフトウェアの今後の動向