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エンジニアの視点から活用するXMLデータベース
第1回:事例から見るXMLデータベース適用範囲の広がり
著者:
メタジトリー 丸山 則夫
2006/2/28
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ナレッジと新たな技術の創造へ
XMLはその適用で様々な色に染まります。当初、ドキュメントとデータの融合アプローチはそれらを管理するデータを取り込み、さらにそのマネジメントデータはプロセスの管理をするまでにその役割を広げています。
それはドキュメント構造/データ構造/マネジメント構造など異なるモデル概念の融合のはじまりです。また、XMLはメタデータとデータを一体で扱っていますので、データベース以上にデータベースらしい応用ができる可能性があります。
トピックマップ
その1つの応用技術として実現しているものにトピックマップがあります。筆者はこのトピックマップの概念を使ったシステムを構築中です。コンテンツと利用の間に、マッピングするメタデータ層を置き、そのメタデータ層の中で、知識の連鎖を作ろうといく仕組みです。
図6:トピックマップ
トピックマップ情報検索は定められた道筋のほかに、道草をする楽しみを設けています。雑談は道筋なしの会話です。会話の流れの中で会話のネタが生まれ、人の話からその人の趣味の話になり、趣味から想定していない人の話に飛び、今度は住んでいた町の話になり、お国自慢の話の主題が移り…等々、このような話題の複雑な連鎖をメタデータの整理で合理的な仕組みとして実現できます。
トピックマップの概念はXMLDBの1つの方向性を示しています。利用目的により従来のデータベースのような使い方ができることに加えて、構造が不確定なものを容易に取り組む使い方です。
簡単な例を説明します。受発注のような定型業務のデータベースは仕事のルールがデータの対象などが確定しているので、RDBなどの固定したスキーマ構造の中で定められたデータについて、決められた制約を確定して格納します。
XMLはあらかじめスキーマを確定しなくても、XMLの規則にあえば扱える仕様となります。扱うデータの構造は利用する側の問題となります。トピックマップは自身の構造や属性を決めています。その構造や属性は一種のメタデータですが、通常のデータベースのメタデータと異なります。
情報処理におけるドキュメント系/ナレッジ系のメタデータの考え方の違いがこの点にあります。XMLDBの理解には、XMLで表現するメタデータの特徴に注目する必要があります。
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著者プロフィール
株式会社メタジトリー 丸山 則夫
株式会社メタジトリー 代表取締役。長年、データ分析およびデータベースの設計、社内統合の情報基盤の整備に従事。 1998年XMLの可能性に着目。電子カタログ、電子ドキュメントなど広範囲な実績をベースに、XMLソリューションのコンセプトをビジネス展開。
INDEX
第1回:事例から見るXMLデータベース適用範囲の広がり
XMLDBの背景の説明
厳密な意味でのXMLDBとは
エンタープライズがXMLにもたらしたもの
ナレッジと新たな技術の創造へ