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第2回:データベースの導入実態

2007/7/5
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シェアやオープンソースの利用動向

   データベースいっても商用からオープンソースまで様々なものがある。実際に日本ではどのプロダクトが多く利用されているのだろうか。調査データから商用とオープンソース利用の全体感を見ていこう。またオープンソースデータベースの検証や実際の事例をThinkITのこれまで掲載した連載から紹介する。
データベースの利用実態
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オープンソースの導入事例


調査データ

ミドルウェア市場動向と今後の展望 ミドルウェア市場動向と今後の展望
第1回:ライセンスからサービスビジネスへ移行するRDBMS市場
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩

ベンダ別出荷動向

   最後に2005年におけるRDBMSのライセンス売上高のベンダ別シェアについて解説していこう(図5)。

RDBMSライセンス売上高ベンダ別シェア(2005年)
図5:RDBMSライセンス売上高ベンダ別シェア(2005年)

   2005年のライセンス売上高のシェアでは、Oracleが44.6%で2004年に引き続き首位を堅持した。2004年から1.5ポイントシェアは減少したものの、大規模な通信キャリア系の案件が戻りつつあり、今後は回復が見込まれる。またLinux向けの出荷も非常に伸びているおり、今後のシェア比率に影響を与えるだろう。

   2位は21.2%でMicrosoftだ。2004年から1.7ポイントシェアを伸ばしており、着実にシェアを伸ばしている。これはWindowsを搭載したIAサーバの出荷の好調にともない、SQL Serverの出荷も伸びているからである。

   またWindowsの信頼性が向上し大規模システムでも使われるようになってきたことで、SQL Serverもビックアカウントで導入されるケースが増えていることもあげられる。中小企業では業務パッケージにSQL Serverを組み込んだ形で導入が進んでおり、企業規模によらず売上を伸ばしている。

   3位は15.1%でIBM、4位、5位には富士通と日立製作所が続く。この3社は自社メインフレームユーザからのマイグレーション案件に適用されるケースが増えており、着実にシェアを維持している。

OSS導入実態 Linux/OSSの導入実態と今後の展望
第3回:オープンソースデータベースの導入状況
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩

オープンソースDBの導入状況

   LinuxやSolarisのオープンソース化など、OSの領域ではオープンソースというものが当たり前のように受け入れられている。しかし、OSのもう1段階上のレイヤーであるデータベースやミドルウェアにおいては、まだまだプロプライエタリな商用ソフトウェアの世界となっている。

   そのような中、近頃データベース領域においてオープンソースソフトウェア(以下OSS)が注目されるようになってきた。そこで第3回目となる今回では、オープンソースDBがユーザの中にどの程度浸透しているのかをアンケート調査結果から見ていきたい。

   まず、オープンソースDBの導入状況について質問を行った。その結果、既にオープンソースDBを導入しているユーザは10.2%となった(図1)。また、「導入を検討中」は1.9%とわずかだが、「導入に興味がある」は25.4%となっている。これらと導入済みを合わせると、約40%のユーザが導入意向を示していることになる。

オープンソースDBの導入状況と今後の導入意向
図1:オープンソースDBの導入状況と今後の導入意向

   Linuxの調査とは違い、これまでオープンソースDBの導入状況に関するオープンな調査は、筆者が知る限り少なくとも国内においてはほとんど存在していない。したがって10.2%という数字に関してどう捉えるかがポイントになってくるが、筆者としては高い導入率だと考えている。商用ソフトウェアが当たり前となっている企業情報システムのデータベースにおいても、OSSの波が来ていることは間違いないだろう。

   業種別では、OSS全般での傾向と同じように公共での導入率が最も多く29.5%となっており、2番目はサービス業で18.4%となる。一方、OSSやLinuxで見られたような企業規模に比例して導入率が高まる傾向はオープンソースDBでは見られなかった。最も導入率が高かったのは、年商501〜1,000億円の中堅クラスで15.5%となっている。

実態調査で見るユーザー企業の利用動向 実態調査で見るユーザー企業の利用動向
第5回:オープンソースソフトウェアの導入意向
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩

OS別オープンソースソフトウェアの利用

   利用しているオープンソースソフトウェアの種類としては、3つのOSすべてにおいてApacheが最も多くなっている。Apacheはウェブサーバーのデファクトスタンダードとして定着していることが分かる。

サーバーOS別利用しているオープンソースソフトウェアの種類
図2:サーバーOS別利用しているオープンソースソフトウェアの種類
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   一方、データベースに着目してみると、LinuxはPostgreSQLが多いのに対し、WindowsではMySQLのほうが多いことが分かる。

   もともとPostgreSQLはLinuxとSolarisでしか動かなかった。Windows上で動かすにはエミュレーターを使用するしかなく、パフォーマンスが低下するという問題があった。したがって、Windows上でオープンソースのデータベースを利用するにはMySQLしかなかったので、このような結果になっていると考えられる。現在はPostgreSQLもWindowsに対応しており、今後はユーザーがどちらを選択するかに注目していきたい。

   また、商用UNIX上ではオープンソースデータベースの利用はわずかである。商用UNIXは商用データベースが非常に強い領域となっている。

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