MySQL Clusterのインストール
OpenSolaris 2008.05を利用する
MySQL Clusterのセットアップには複数のノードが必要なのですが、テスト目的でそのような環境を構築するのは容易ではありません。そこで、今回はOSにOpenSolaris 2008.05を用いてSolarisゾーンを構築してセットアップを行いたいと思います。
Solarisゾーンは、1つのOSイメージの上に複数のホストを疑似的に構築する仮想化技術です。OSをSolarisだけに限定すると、カーネルやファイルシステムの一部をゾーン間で共有するため、リソースの消費量が少なくて済むという利点があります。また、エミュレータとは違いCPU命令はすべてネーティブに実行されます。
手元の環境では、ゾーンごとのリソースは初期インストール状態においてメモリ消費量および消費量のいずれも20MB未満です。このように消費するリソースが圧倒的に少ないため、1台のホストを利用して複数の仮想ホストを使うテストを行うのに非常に適しています(Solaris 10の場合はもう少しリソースが必要です)。
OpenSolaris 2008.05はその名の通り2008年5月にリリースされた最新バージョンのOpenSolarisです。これまでのバージョンのSolarisに加えて、以下のような特徴があります。
1.Live CDによる簡単なインストール
2./(root)ファイルシステムがZFS
3.新しいパッケージ管理ツールIPS
中でも特にIPSはSolarisの使い勝手をかなり向上させる機能です。
なおOpenSolaris 2008.05については、「【OS-1グランプリ】みんなで使おう!最新OpenSolaris」(http://www.thinkit.co.jp/article/82/1/)でも取り上げていますので、詳しくはこちらを参照してください。
OpenSolarisをインストールする
OpenSolaris 2008.05はダウンロードページ(http://www.opensolaris.com/get/index.html)から入手できます。LiveCD兼インストールCDのISOイメージが置いてありますので、ダウンロードしてください。CDを作成するには700MB以上のCDが必要です。CDの作成はISOイメージを扱えるソフトウェアであればどれでも対応可能です。
ディスクへの書き込みが必要なデータベースサーバーのテストはLiveCDでは行えません。そのためOpenSolarisをインストールする必要がありますが、OpenSolarisのインストールの手順は至って簡単です。LiveCDを使ってシステムを起動すると、キーボードのレイアウトと言語の選択のあとにOpenSolarisのデスクトップが起動します。
デスクトップにある「Install OpenSolaris」というアイコンをダブルクリックするとインストーラが起動します。インストーラはウィザード形式で、インストール先のディスク、タイムゾーン、ロケール、rootパスワード、初期ユーザーアカウント、ホスト名について順に入力します。インストールにおいて悩むところは一切ありません。
現在のバージョンのインストーラはシンプルすぎるほどシンプルで、ディスクのレイアウトの変更などもできません。もう少し柔軟にカスタマイズできるようになればさらに使いやすくなると思いますので、将来のバージョンで改善されることを願っています。