[実践編] Ubuntu Serverの運用・管理、商用製品の利用メリットと今後の展望(後編)

2014年5月14日(水)
古賀 政純

Ubuntu ServerにおけるSNMPの設定

MCP等を使って遠隔にある監視用のサーバーにSNMPによる障害通知を送るためには、hpsnmpconfigコマンドによる事前準備が必要です。hpsnmpconfigを実行すると、SNMPのRead/Write Community String(例として「private」等)とRead only Community String(例として「public」等)、トラップ送信先IPアドレス等の入力が促されますので、それらを適切に入力してください。

# /sbin/hpsnmpconfig

hpsnmpconfigコマンドによるSNMP設定が終了したら、Ubuntu Serverを再起動します。Ubuntu Serverを再起動後、監視対象サーバーで提供されるSystem Management Homepage(通称SMH)にWebブラウザーでアクセスすることで監視することが可能です。

図1:監視対象のUbuntu Serverが管理者に提供するSMHの画面。様々なハードウェアコンポーネントを監視できる(クリックで拡大)

Ubuntu Server on HP ProLiantにおける温度、ファン、電源の監視

監視エージェントを入れるメリットに、詳細な監視データをコマンドラインから取得できるという点があります。MCPに同梱されているUbuntu Server向けの管理ユーティリティの1つであるhplogコマンドは、サーバーの温度、ファン、電源の状態をCLIの標準出力に表示することが可能です。

図2:hplog -tの利用例。監視対象のUbuntu Serverが稼働するサーバー内部の温度センサー情報を取得することができる(クリックで拡大)
図3:hplog -fとhplog -pの利用例。監視対象のUbuntu Serverが稼働するサーバーの冷却ファンと電源の状態を監視することができる(クリックで拡大)
日本ヒューレット・パッカード株式会社 プリセールス統括本部 ソリューションセンター OSS・Linux担当 シニアITスペシャリスト

兵庫県伊丹市出身。1996年頃からオープンソースに携わる。2000年よりUNIXサーバーのSE及びスーパーコンピューターの並列計算プログラミング講師を担当。科学技術計算サーバーのSI経験も持つ。2005年、大手製造業向けLinuxサーバー提案で日本HP社長賞受賞。2006年、米国HPからLinux技術の伝道師に与えられる「OpenSource and Linux Ambassador Hall of Fame」を2年連続受賞。日本HPプリセールスMVPを4度受賞。現在は、Linux、FreeBSD、Hadoop等のOSSを駆使したスケールアウト型サーバー基盤のプリセールスSE、技術検証、技術文書執筆を担当。日本HPのオープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリストとして講演活動も行っている。Red Hat Certified Engineer、Red Hat Certified Virtualization Administrator、Novell Certified Linux Professional、EXIN Cloud Computing Foundation Certificate、HP Accredited Systems Engineer Cloud Architect、Red Hat Certified System Administrator in Red Hat OpenStack、Cloudera Certified Administrator for Apache Hadoop認定技術者。HP公式ブログ執筆者。趣味はレーシングカートとビリヤード

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