連載 :
節電時代の自宅サーバー運用節電のためにWake-On-Lanを使う
2011年7月5日(火)
![](https://thinkit.co.jp/sites/default/files/styles/main_image_730x/public/main_images/1952_main_7.png?itok=hh9KpEUK)
Wake-On-Lanの設定方法
ここからは具体的なWake-On-Lanの設定方法を記していきます。なお本連載では便宜上サーバーOSとしてCentOSを用います。他のOSやLinuxディストリビューションでも基本的な考え方は同じです。
(1) BIOSの設定
お使いのマシンがWake-On-Lanに対応している場合、BIOS内に「Wake-On-Lan」もしくは「WOL」という記述がどこかに見られると思います。まずはそれを有効にします。
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図2:wol BIOS画面 |
またマシンがシャットダウン状態でもNICに通電が行われていないといけません。BIOSの種類によっては、ひょっとするとそのための設定があるかもしれません。その場合はそれらも有効にします。
(2) OSでの設定
CentOSでWake-On-Lanを使う方法はいろいろありますが、ここではethtoolというツールを使ってみたいと思います。
# yum -y install ethtool <- ethtoolをインストールします # ethtool -s eth0 wol g <- eth0というNICがマジックパケットを受け取れるように
ただし上記の方法だとサーバーを起動する度にマジックパケットを受け取れるよう設定しなければなりませんので、以下のいずれかの要領で設定ファイルを書き加えておくと良いでしょう。
# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 ETHTOOL_OPTS="wol g"
もしくは
# vi /etc/rc.local ethtool -s eth0 wol g
の要領で追記します。
なお、設定が無事に行われたかどうかは以下のコマンドを実行することで判断することができます。
# ethtool eth0 Settings for eth0: Supported ports: [ TP MII ] Supported link modes: 10baseT/Half 10baseT/Full 100baseT/Half 100baseT/Full 1000baseT/Half 1000baseT/Full Supports auto-negotiation: Yes Advertised link modes: 10baseT/Half 10baseT/Full 100baseT/Half 100baseT/Full 1000baseT/Half 1000baseT/Full Advertised auto-negotiation: Yes Speed: 100Mb/s Duplex: Full Port: MII PHYAD: 0 Transceiver: internal Auto-negotiation: on Supports Wake-on: pumbg Wake-on: g <-ここが「g」になっていればOK Current message level: 0x00000033 (51) Link detected: yes
問題なければマジックパケットを飛ばすNICのMACアドレスをメモしておきます。
# ifconfig eth0 eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:2F:C1:FB:DB:90 <- この部分にあるMAC アドレスをメモします inet addr:192.168.1.2 Bcast:192.168.1.255 Mask:255.255.255.0 UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1 RX packets:63293164 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0 TX packets:25251966 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 collisions:0 txqueuelen:1000 RX bytes:3115658524 (2.9 GiB) TX bytes:2933678118 (2.7 GiB) Interrupt:217 Base address:0xa000
そしてマシンをシャットダウンします。
# shutdown -h now <- シャットダウン
次ページでいよいよWake-On-Lanを試してみます。
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