— ハードウェア管理だけでなくアプリケーションも含めて、統合的に運用管理を考えていかないといけないということですね
杉本氏
：システムが大きくなればなるほど環境が複雑化し、データ量が多くなるため、復旧までの時間やコストがかかります。クリティカルなシステムであればあるほど、迅速なシステムの稼動再開を支援するツールが求められます。
普通の中小企業のシステム規模では、そこまでの対策の必要性は低いかもしれませんが、広域のバックボーンやデータセンターを持つ企業には必須になっていくと思います。
— 広域のバックボーンやデータセンターを持つ企業では、高い可用性を持たなければなりませんが、最近ではどのような構成が求められているのでしょうか
杉本氏
：停止しないシステムを求めるならば、遠隔地でリカバリサイトを構築し、サイト間フェイルオーバーを実現する機能が必要です。ローカルではクラスタ化して対応して、それでも復旧できない場合は、遠隔地のリカバリサイトのシステムを稼動させビジネスを継続します。
— 日本でもそういう構成は求められるようになってきているのでしょうか。特に導入の多い業態や業種などの傾向はありますか
杉本氏：
日本ではまだ数は多くはありませんが、導入する企業は増えています。金融などの業種が多いですが、通信や電力などのインフラ系も多く、アメリカでディザスタリカバリのサイトを構築している企業もあります。
Veritas Cluster ServerとVeritas Storage Foundationがこのサイト間クラスタを実現する上でのベースとなります。
ディザスタリカバリ以外の日常的な運用においても、Veritas Storage Foundationには多種多様なストレージ管理ツールが搭載されています。Portable Data Containers（PDC）機能が、UNIX・Linux間のデータ移行を容易に実現し、FlashSnap機能がデータのコピーであるスナップショットを作成します。
例えば、Solarisで使っていたデータをLinuxでダウンサイジングして使う場合など、通常はデータをバックアップやFTPなどの技術を利用して移行するため、大変時間がかかります。しかしPDC機能によってデータフォーマットを変換してからスナップショットデータを移行させれば、異機種間ということを意識しないで短時間で移行を実現することが可能です。
— Data Center Foundationの将来的な展開について教えてください
杉本氏：
：Veritas NetBackup PureDiskという製品を日本で来年展開する予定です。これはリモートオフィス内に点在するデータのバックアップを自動的に行い、バックアップデータを1箇所で集約管理することができます。
一般的な運用として、複数の拠点でバックアップファイルを管理する例がありますが、同じバックアップデータでも拠点によって微妙に変更が加えられたり、データ名が変更されたりすることがあります。このとき、通常なら別のファイルとして扱われてしまいますが、NetBackup PureDiskであれば集約化するときに変更ブロックと保存先パス名を記録して、同一の「保存データ＋変更ブロック」として必要となるストレージ領域を削減しながら集約することができます。
ファイルの集約によってコンプライアンス管理などにも使えますし、遠隔地からのファイル送信は暗号化するので安全性も確保できます。SymantecVisionでは、NetBackup PureDiskのアーキテクチャやロードマップについて紹介します。
またVeritas Configuration Managerという製品も展開予定です。これは、サーバの構成管理情報を記録し、サーバ間の依存関係をマッピングして管理します。これらの新しい製品の紹介をSymantecVisionで行う予定です。
— それはとても楽しみですね。ありがとうございました。
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