クラウドデータベース完全ガイド 2023
リレーショナル・データベース(RDB)が発明されて以来、エンタープライズITの分野では「データベース=RDB」という時代が続いてきた。トランザクション処理が中心の基幹システムや業務システムにおいて、データの一貫性を保証してくれるRDBは欠かせない存在だったからだ。
ところが2000年代以降、RDB一辺倒だったエンタープライズITの世界に変化が生じた。ビッグデータ分析やIoT(センサーデータ活用)など、大量データの高速処理という新しいニーズに対し、それまでのRDBはうまく適応できず、NoSQLと呼ばれる新たな勢力が台頭してきたのだ。
そしてクラウドファーストの時代に入り、さらに状況は変化している。変化の最たるものがアプリケーションを機能群に分解し、疎結合させるマイクロサービス化の流れだ。マイクロサービス化はアプリケーション開発の迅速化、柔軟な拡張性、障害からの復元力をもたらすものとして期待されているが、データベースの在り方にも大きな影響を与える。一極集中型のデータベースは、拡張性や復元力のボトルネックとなりかねないからだ。
とは言え、こうしたクラウド時代のニーズにマッチする完全無欠なデータベースが存在するわけではない。要件に合わせてRDBやNoSQLを使い分け、あるいは組み合わせて、必要であればインメモリ機能など新たな仕組みも取り入れてシステムを設計する必要がある。またそうすることが、RDBだけで要件を満たそうとするよりもコストメリットを得やすいという場合も多い。
そこで本小冊子では、クラウド時代のデータベースに求められる要件を整理し、データベースを類型化して解説する。データベース技術者はもちろんのこと、普段データベースはDBAに任せきりというアプリケーション開発者、技術営業など、システム構築に携わる方は、ぜひご一読いただきたい。
Think IT特別編集号 クラウドデータベース完全ガイド 2023
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