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第5回:LifeKeeper for Windowsの操作(前編)
著者:サイオステクノロジー クラスタソリューショングループ
監修者:サイオステクノロジー  小野寺 章   2005/12/26
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IPリソースの設定

   次にIPリソースの設定について説明する。

   IPリソースを作成することによって、一般的に仮想IPやVirtual IPと呼ばれているクラスタ間で切り替え可能なIPアドレスを使用できる。

   IPリソース作成の手順は、まず「TESTLK1」でIPリソースを作成し、そのIPリソースを「TESTLK2」へ拡張する。

   今回作成する切り替え可能なIPアドレスは「10.1.0.69」とし、サブネットマスクは「255.255.0.0」に設定する。

   それでは切り替え可能なIPアドレスの作成方法を解説する。

   まずLifeKeeper GUI画面を起動し、「編集 → リソース → リソース階層の作成」をクリックする。通信パスを作成した時と同様にウィザードが起動するので、以下の項目について順に設定する。


1.Recovery Kitの選択

   リストボックスからリカバリキットとして「IP アドレス」を選択し「次へ」ボタンを押す。

Recovery Kitの選択
図11:Recovery Kitの選択


2. スイッチバック・タイプ

   デフォルト値の「INTELLIGENT」のまま「次へ」ボタンを押す。スイッチバック・タイプには「INTELLIGENT」と「AUTOMATIC」がある。

   「INTELLIGENT」は、フェイルオーバーによってリソースがセカンダリサーバ移動した後、プライマリサーバ復帰時にプライマリサーバでリソースが自動的に復帰しない設定である。

   「AUTOMATIC」は、フェイルオーバーによってリソースがセカンダリサーバに移動した後、プライマリサーバ復帰時に自動的にプライマリサーバでリソースが復帰する設定である。

   通常はフェイルオーバーの原因が解決されるまで、リソースをセカンダリサーバで運用することが多いので「INTELLIGENT」を推奨する。

スイッチバック・タイプ
図12:スイッチバック・タイプ


3. サーバ

   プライマリサーバ「TESTLK1」を選択し「次へ」ボタンを押す。

サーバ
図13:サーバ


4. IPアドレス

   仮想IPアドレスに使用するIPアドレスを入力する。今回は「10.1.0.69」を入力し「次へ」ボタンを押す。

IPアドレス
図14:IPアドレス


5. サブネット・マスク

   仮想IPアドレスに使用するサブネット・マスクを入力する。今回は「255.255.0.0」を入力し「次へ」ボタンを押す。

サブネット・マスク
図15:サブネット・マスク


6. IPリソース・タグ

   IPリソース・タグはGUI上で表示される仮想IPアドレスの識別子を指定する。今回はデフォルト値である「10.1.0.69」のまま「次へ」ボタンを押す。タグ名には日本語を使用できないので、デフォルト値を変更する場合には注意が必要である。

IPリソース・タグ
図16:IPリソース・タグ


7. ネットワーク接続

   仮想IPアドレスを設定するネットワーク接続を選択する。今回はパブリックLANである「ローカルエリア接続2」を選択し、「次へ」ボタンを押す。

ネットワーク接続
図17:ネットワーク接続


8. ローカル・リカバリー

   ローカル・リカバリーは、切り替え可能なローカルIPアドレスを監視し、障害検出時に同じシステムの別のネットワークアダプタにIPアドレスを移動する機能である。今回はこの機能を使用しないのでデフォルト値の「いいえ」を選択し、「次へ」ボタンを押す(注2)。

ローカル・リカバリー
図18:ローカル・リカバリー

※注2: IPローカル・リカバリーの設定をする場合は、「プランニングおよびインストールの手引きhttp://www.10art-ni.co.jp/product/lifekeeper/windows/manual/LKInstall.pdf」の「IPローカル・リカバリーの設定」に詳しい説明が記載されているので参照していただきたい。


9. クイック・チェック間隔(分単位)

   リソースに対して基本的なチェックを行う間隔の設定である。今回はデフォルト値の「3」のまま「次へ」ボタンを押す。

クイック・チェック間隔(分単位)
図19:クイック・チェック間隔(分単位)


10. 詳細チェック間隔(分単位)

   リソースに対して詳細なチェックを行う間隔の設定である。今回はデフォルト値の「5」のまま「作成」ボタンを押す。

詳細チェック間隔(分単位)
図20:詳細チェック間隔(分単位)

   ここまでの操作でIPリソースが、プライマリサーバ「TESTLK1」に作成される。

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サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
サイオステクノロジーにおいて、SteelEye LifeKeeperの技術サポートや構築支援を行うエンジニア集団。日本国内で、彼ら以上にLifeKeeperを知る者たちはいないと自負している。世の中のすべてのHAクラスタがLifeKeeperになることを夢見て日々奮闘を続けている。


サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章
監修者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  小野寺 章
インフラストラクチャービジネスユニット
エンタープライズソリューション部 部長
国産汎用機メーカに入社し、汎用機のSEを10数年担当、1994年頃からオープン・ダウンサイジングブームの到来とともにUNIX系OSを担当し、Solaris、HP/UXでSun Cluster、Veritas Cluster、MC/ServiceGuardなどを使用した、多数のミッションクリティカルシステムのHAシステム構築に従事。2001年ノーザンライツコンピュータ(現サイオステクノロジー)へ入社後、SteelEye LifeKeeperの総責任者としての国内での販売・サポート業務に従事。


INDEX
第5回:LifeKeeper for Windowsの操作(前編)
  はじめに
  通信パスの作成
IPリソースの設定
  セカンダリサーバ「TESTLK2」にIPリソースを拡張