PR

Eucalyptus の機能とコンポーネント

2011年9月1日(木)
志田 隆弘(SHIDA TAKAHIRO)

ストレージ管理機能

クラウドを構成する大きな機能として、ストレージ管理機能があります( 図8 )。これはHTTPでアクセスできるストレージで、Amazon Web Services では実質容量無制限ですが、Eucalyptusの場合は構築した環境に依存する物理的な制限があります。ストレージにはバケットと呼ばれるディレクトリや、オブジェクトと呼ばれるファイルがあり、任意の形式のファイルを置くことができます。インスタンスから利用可能ですが、Eucalyptus では最も大きな利用方法として、インスタンスイメージの置き場所にこのストレージ機能を使用しています。

図8:ストレージ管理(クリックで拡大)

Amazon EC2/S3 とEucalyptus との違い

クラウド利用者から見たAmazon EC2/S3 とEucalyptus の機能について説明してきました。ここまで挙げたAmazon EC2/S3 とEucalyptus の機能には大きな違いがなく、クラウド利用者としては同じものとして両方のクラウドを利用できます。ただし、パブリッククラウドとプライベートクラウドの違いから、いくつかのAPI はEucalyptus では利用できません。特に大きな違いは、課金やモニタリングに関するAPI です。Amazon EC2/S3 ではイメージが利用されることでイメージ作成者が報酬を得ることができる製品イメージの機能や、S3 からファイルをダウンロードすることで課金される有料バケットなどがありますが、Eucalyptus ではこれらの課金API は実装されていません。また、Amazon ではAmazon のWeb サイトと連動して動作するインスタンスのモニタリング機能がありますが、Eucalyptus ではクライアントとしてのWeb が提供されていないため、モニタリングAPI も実装されていません。

Eucalyptus とAmazon EC2/S3 のAPI について機能ごとに差分をまとめた表を、 表1に示します。

表1 Amazon EC2/S3 とEucalyptus の違い

クリックで拡大
この記事のもとになった書籍
ストレージ運用管理実践ガイド

Eucalyptusではじめるプライベートクラウド構築

Eucalyptusのインストールから設定、APIの利用方法やマシンイメージの作成方法などを丁寧に解説。AWSとの連携など、今後のトレンドであるハイブリッドクラウドやインタークラウド(クラウド相互互換)についても言及。GoogleやAmazonなどが提供するクラウド環境を社内インフラを用いて独自に構築できる。

羽深 修/志田 隆弘/田中 智文
(NTTデータ先端技術株式会社)著
価格:3,990円 (本体 3,800円+税)
発売日:2011年5月25日発売
ISBN:978-4-8443-3025-7
発行:インプレスジャパン

 
著者
志田 隆弘(SHIDA TAKAHIRO)
NTTデータ先端技術株式会社

2008年 同社にてEucalyptusを用いた新しい開発基盤の研究と構築に携わり、システム開発の上流から下流までをサポートする新しい開発の仕組みを研究中
3 年ほど前からEucalyptusを本格的に使い始め、最近ではEucalyptusにどっぷり浸かった生活をしている。他の著書として『Eclipse 3.4 プラグイン開発 徹底攻略 Eclipse 3.4 Ganymede 対応』『Eclipse 逆引きクイックリファレンス Eclipse3.3 Europa 対応』(いずれも共著、毎日コミュニケーションズ)がある。
Twitter:@shida1234

連載バックナンバー

Think IT会員サービス無料登録受付中

Think ITでは、より付加価値の高いコンテンツを会員サービスとして提供しています。会員登録を済ませてThink ITのWebサイトにログインすることでさまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think IT会員サービスの概要とメリットをチェック

他にもこの記事が読まれています