並列処理を実現する製品ロードマップ
HPC製品・Parallel Studio共に2010年後半に新バージョンをリリース
インテルは10月2日、「Parallel Universe ~並列処理の世界~ へようこそ。」と題したソフトウェアカンファレンスを開催した。マルチコアプロセッサと、その性能を十分に引き出し、使い切る並列処理についての情報を提供するこのカンファレンスには、約350名が参加した。
今後の並列化に関するロードマップとしては、HPC製品への投資、インテルParallel Studioへの投資、並列プログラミング推進のための投資、の3つの方向性が示された。
HPC製品への投資としては、インテルParallel Amplifierの主要な強化機能を含む多数の新機能が追加された「インテル VTuneパフォーマンス・アナライザー」と、メモリチェック機能等インテルParallel Inspectorの強化機能を加えた「インテル スレッド・チェッカー」が2010年Q4を目処に公開される予定だ。「これらによってParallel Studioで評価された新しい機能がLinuxでも活用できるようになる」とインテルコーポレーション James Reinders氏は語る。
この他、6月にアップデートされた「インテルFortran/C++コンパイラー」についても、2010年にアップデートが予定されているという。
Windows OS向けの並列化サポートツール群である「インテル Parallel Studio」については、次期OSWindows 7やVisual Studio 2010への対応も順次行われる予定だ。また、開発のアドバイスをしてくれる「インテル Parallel Advisor」が初期ユーザーのフィードバックを受けてアップデートされる。これは現バージョンで随時対応されていく予定で、これらを包括した新バージョンは2010年Q3にリリースされる予定だ。
データ並列プログラミングに重点を置いた新製品も年末に登場
次に並列化プログラミング推進のための投資について紹介が行われた。HPC製品やParallel Studioの一部として活用可能な製品として、データ並列プログラミングに重点を置いた製品の開発が進められている。「データタスクの並列化は他ツールでも可能だが、特化した製品を作ることで決定性とスケールを備えたものになると判断した」とReinders氏は語った。
具体的には「Ctテクノロジー」を採用したもので、高レベルの抽象化や自然な表記、簡単なプログラミングで生産的なデータ並列プログラミングを実現。また、将来的なメニーコア・プロセッサでのパフォーマンスを可能にすることで投資を保護し、テンプレートを使用して標準C++を拡張するためC++コンパイラーに変更を加える必要はない等、導入のしやすさが確保されている。現時点では製品名は未定で、通称として「Ctテクノロジー・ベースの製品」と呼ばれるこの製品は、2009年末にはベータ版が提供される予定だ。将来的には全てのインテルツールでサポートされるという。
2009年末から2010年末にかけて様々な製品が登場する中、インテルでは2010年の「インテル ソフトウェア・カンファレンス」も5月末から6月初旬の間に日本で開催する予定だ。今後次々に発表される製品に注目するとともに、さらに具体的になった情報が得られるであろう次回カンファレンスにも期待したい。
インテル ソフトウェア カンファレンス 2009 東京 セッション資料
http://www.intelsoftwareconferencejapan.com/agenda.html?ti1009
インテル Parallel Studioプログラミングガイド書籍
http://www.cutt.co.jp/book/978-4-87783-226-1.html
インテル Parallel Studio 製品紹介
http://www.intel.co.jp/jp/software/products/intel-parallel-studio-home/index.htm
インテル Parallel Studio 入門デモ/ Web セミナー
http://www.xlsoft.com/jp/products/intel/parallel/doc.html?ti1009
インテル Parallel Studio 評価版ダウンロード
http://www.xlsoft.com/jp/products/intel/parallel/download.html?ti1009
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