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SOA/ESBの真の姿とは
第4回:ESBにおけるデータ変換(後編)
著者:
Fiorano Software 青島 茂
2007/9/3
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ESBに求められるデータ変換機能のまとめ
現在市販されているESB製品を、備わっているデータ変換機能によってみると、おおむね次のように3段階に分けられます。
XMLデータの変換(XSLTを利用したマッピング)が可能なもの
1に加え、シンタックス変換が可能なもの
1と2に加え、外部アプリケーション呼び出しやデータ分割など、さらなる変換が可能なもの
表2:市販ESB製品が備えるデータ変換機能
SOAの大きな目的の1つであるシステムのアジャイル性、既存アプリケーションの再利用性の観点からみると、多くのデータ変換機能が備わっていることが望ましいものとなります。しかしその一方で、ESBなどのミドルウェアではカバーしきれない問題があることも事実です。
ミドルウェアの範疇を超える問題とは、ITシステム全体のデータモデリングやEA(エンタープライズアーキテクチャ)に関わるようなもので、ミドルウェアの外側で解決すべきだということを意味しています。
別の言葉でいえば、企業システム全体のデータモデリングあるいはデータアーキテクチャがあって、はじめてSOAが実現可能になる部分もあるということです。
これは、データモデルにしたがっていないアプリケーションは統合できないということを意味し、疎結合やアジャイルなシステムという考え方と相反するものを含んでいます。
今まで、SOA関連のミドルウェアを提供してきたベンダーはこの点についてあまり触れてきませんでしたが、ここにきて新たな動きもではじめています。データ変換の問題は SOAのキモともいえる重要なもののため、業界の新たな動きをみつめながら、回をあらためて再度取り上げられればと思います。
次回は
今回までは「1対1」または「1対n」のアプリケースション統合を例に、ESBについて解説してきました。
次回からは複数のアプリケーションを統合するケースを例に、BPMとESBの関係について考察していきます。
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著者プロフィール
Fiorano Software, Inc.
日本オフィス ジャパン オペレーション マネージャ
青島 茂
SOA/ESBの分野に2003年1月からたずさわる。2005年3月にFiorano Softwareの日本オフィスを開設し、現在SOA/ESB製品の国内市場への普及に専心している。
INDEX
第4回:ESBにおけるデータ変換(後編)
ESBに求められるデータの違いを吸収する機能
マッピングツールでは解消できないセマンティクスの違い
ESBに求められるデータ変換機能のまとめ