RESTなWebサービスを作ってみる
Webサービスを作るのに必要な環境
今回は、「RESTなWebサービスの利用/開発」の最終回として、RESTを使ったWebサービスを作ってみる例を紹介します。PHP 5を使って、ブログ・ソフトの「WordPress」を操作し、投稿を追加/編集/削除できるようなWebサービスを作ります。サンプル・プログラムを用意しましたので、ダウンロードして試すこともできます(URLは文末)。
まず、Webサービスを作るために必要な環境(ソフトなど)をまとめます。
Webサービスは、一般的なWebアプリケーションと同様に、Webサーバー上で動作するプログラムの一種です。したがって、Webサーバー(Apacheなど)がまず必要です。また、Webサーバーと連携して動作するプログラム言語(PHP/Perl/Ruby/Pythonなど)も必要です。
また、Webサービスでは、クライアントとの間で、XMLをやり取りすることが多いです。したがって、プログラム言語には、XMLを処理する機能やライブラリがあることも必要です。
さらに、一般的なWebサービスでは、何らかの形でデータを蓄積します。自力でデータ処理のロジックを作ることも考えられますが、通常はMySQLなどのデータベースと連携することが多いです。
レンタル・サーバーなど、Webサイトの公開に使われているサーバーであれば、通常は上記の条件を満たしています。
WordPressの投稿を操作するWebサービスを作る
今回は、RESTによる基本的なWebサービスを作ってみます。その例として、ブログ・ソフトのWordPressを対象に、その投稿を操作するごくシンプルなWebサービスを作ります。
前回では、RESTなWebサービスにアクセスする方法を紹介し、その中で、Webサービスの動作の流れを見てきました。RESTなWebサービスでは、大まかに言えば、以下の3つの情報に基づいて適切にデータを処理し、結果をクライアントに返す、という処理を行います。
(1)アクセスされたアドレス
(2)HTTPのプロトコル(GET/PUT/DELETE/POST)
(3)アクセスの際に渡されたデータ
今回作るWebサービスでは、WordPressに投稿を新規作成したり、既存の投稿の編集/削除/取得を行ったりできるようにします。プログラムはPHP 5で作ることにします。
各操作の際のアドレスとプロトコルの仕様は、図1のようにします。投稿の作成と編集の際には、投稿のタイトルと文章を、リスト1のようなXMLでWebサービス側に送信することにします。また、投稿の作成/編集/取得の際には、操作した投稿の情報を、リスト2に示すXMLで出力します。
なお、話を分かりやすくするために、今回の記事では認証については触れません。実際にWebサービスを作る際には、何らかの形で認証を行うことが必要です(前回記事を参照)。
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【リスト1】 投稿の作成と編集の際に送信するXML
【リスト2】 操作した投稿の情報を表すXML
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次ページからは、このXMLメッセージをRESTでやり取りするサンプル・アプリケーションを作成していきます。