RESTなWebサービスを作ってみる

2010年1月26日(火)
藤本 壱

Webサービスを作るのに必要な環境

今回は、「RESTなWebサービスの利用/開発」の最終回として、RESTを使ったWebサービスを作ってみる例を紹介します。PHP 5を使って、ブログ・ソフトの「WordPress」を操作し、投稿を追加/編集/削除できるようなWebサービスを作ります。サンプル・プログラムを用意しましたので、ダウンロードして試すこともできます(URLは文末)。

まず、Webサービスを作るために必要な環境(ソフトなど)をまとめます。

Webサービスは、一般的なWebアプリケーションと同様に、Webサーバー上で動作するプログラムの一種です。したがって、Webサーバー(Apacheなど)がまず必要です。また、Webサーバーと連携して動作するプログラム言語(PHP/Perl/Ruby/Pythonなど)も必要です。

また、Webサービスでは、クライアントとの間で、XMLをやり取りすることが多いです。したがって、プログラム言語には、XMLを処理する機能やライブラリがあることも必要です。

さらに、一般的なWebサービスでは、何らかの形でデータを蓄積します。自力でデータ処理のロジックを作ることも考えられますが、通常はMySQLなどのデータベースと連携することが多いです。

レンタル・サーバーなど、Webサイトの公開に使われているサーバーであれば、通常は上記の条件を満たしています。

WordPressの投稿を操作するWebサービスを作る

今回は、RESTによる基本的なWebサービスを作ってみます。その例として、ブログ・ソフトのWordPressを対象に、その投稿を操作するごくシンプルなWebサービスを作ります。

前回では、RESTなWebサービスにアクセスする方法を紹介し、その中で、Webサービスの動作の流れを見てきました。RESTなWebサービスでは、大まかに言えば、以下の3つの情報に基づいて適切にデータを処理し、結果をクライアントに返す、という処理を行います。

(1)アクセスされたアドレス
(2)HTTPのプロトコル(GET/PUT/DELETE/POST)
(3)アクセスの際に渡されたデータ

今回作るWebサービスでは、WordPressに投稿を新規作成したり、既存の投稿の編集/削除/取得を行ったりできるようにします。プログラムはPHP 5で作ることにします。

各操作の際のアドレスとプロトコルの仕様は、図1のようにします。投稿の作成と編集の際には、投稿のタイトルと文章を、リスト1のようなXMLでWebサービス側に送信することにします。また、投稿の作成/編集/取得の際には、操作した投稿の情報を、リスト2に示すXMLで出力します。

なお、話を分かりやすくするために、今回の記事では認証については触れません。実際にWebサービスを作る際には、何らかの形で認証を行うことが必要です(前回記事を参照)。
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【リスト1】 投稿の作成と編集の際に送信するXML


投稿のタイトル
投稿の文章


【リスト2】 操作した投稿の情報を表すXML


1
投稿のID
投稿のタイトル
投稿の文章

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次ページからは、このXMLメッセージをRESTでやり取りするサンプル・アプリケーションを作成していきます。

1969年生まれ。神戸大学工学部電子工学科卒。ソフトメーカー勤務後、フリーライターとして独立。現在では、パソコン関係およびマネー関係の書籍を中心に執筆活動を行っている。ブログ「The blog of H.Fujimoto」は、Movable TypeやWordPressの情報を中心に毎日更新している(http://www.h-fj.com/blog/)。

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