データベース・ファイアウォール導入への不安を解消する、5つの選定ポイントとは
実際の製品に見るデータベース・ファイアウォールの特長
データベース・ファイアウォールは進化を続けており、IBM社やImperva社などからもこのデータベース・ファイアウォールの考え方に合致した製品が出ていますが、筆者の所属するアシストでも導入実績があり、先ほど述べた5つの選定ポイントをすべて満たした製品の例として、「Oracle Database Firewall」を紹介します。
「Oracle Database Firewall」は、アプリケーションとデータベースの中間で、ネットワーク・トラフィックからSQLを収集し、ログとして記録、管理、レポートする「モニタリング機能」と、SQLの解析により危険と判断されるものはブロックや警告でデータベースを保護する「ブロッキング機能」を備えています。Oracle社製品ではありますが、Oracleだけでなく、SQL サーバー、DB2、MySQL、Sybase等のデータベースにも対応しており、以下の特徴があります。
透過的
- 既存のアプリケーションやデータベースの変更が不要な独立した構成
パフォーマンス
- モニタリングだけの場合、オーバーヘッドはなし
運用、導入が容易
- ホワイト・リスト、ブラック・リストのどちらにも対応
- アクセス・ログ情報からホワイト・リスト、ブラック・リストの生成が可能
- モニタリングだけなら即日導入、運用開始が可能
正確な検知&ブロック
- データベース・ベンダーならではの高速かつ高度なSQL文法解析エンジンを搭載
漏れのない監視
- データベースへのローカル接続等、Oracle Database Firewallを経由しないSQLも監視
ストレージ使用量
- XML監査ログと比べて、必要な容量が1/50に圧縮
レポーティング
- PDF、Excel形式でのレポーティングが可能
- 20種類以上のレポート・フォーマット、スケジュール配信をサポート
また、データベースがOracleの場合にはデータ、通信、バックアップをすべて暗号化するAdvnaced Security Optionなどを併用することで、セキュリティを一層強化することが可能です。
最後に
これまで3回にわたり、データベース・セキュリティ・コンソーシアムから公開されている「データベースセキュリティガイドライン 第2.0版」、「緊急提言:オンラインサービスにおけるデータベースと機密情報の保護」、および最近のセキュリティ事案を参考に、あらためて今考えるべきデータベースのセキュリティ対策について解説してきました。
データベースへの攻撃手法は日々進化、巧妙化しており、これだけを想定していれば大丈夫というものではありません。今回、データベースを不正アクセスから守る「データベース・ファイアウォール製品」についてご紹介しましたが、この機会にデータベース・セキュリティ対策の1つの選択肢として導入を検討してみてはいかがでしょうか。
【参考文献・リンク】
データベース・セキュリティ・コンソーシアム
- 「データベースセキュリティガイドライン 第2.0版」
- 「緊急提言:オンラインサービスにおけるデータベースと機密情報の保護」
- 「DBSCからの情報発信 第1回 データベースセキュリティ新時代」
- 「DBSCからの情報発信 第2回 DBセキュリティを本気で見直す時が来た!」
- 「DBSCからの情報発信 第3回 境界線のない時代に求められるDBセキュリティ」
- 「DBSCからの情報発信 第4回 遠隔操作ウイルス、標的型攻撃とデータベースを考える」
データベース・ファイアウォール製品
- Oracle Database Firewall(アシスト)
(リンク先最終アクセス:2012.12)
連載バックナンバー
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- 終わりなきデータベースのセキュリティ対策で押さえるべきポイントとは
- 日本オラクル、データベースセキュリティ「Oracle Audit Vault and Database Firewall」を発表
- Webアプリケーション・セキュリティ
- WAF(Web Application Firewall)の役割と必要性
- アズジェント、データセキュリティソリューション「SecureSphere」を販売開始
- Web攻撃や内部犯罪に専用機で対抗
- 初めてでも安心! OCIチュートリアルを活用して、MySQLのマネージド・データベース・サービスを体験してみよう
- インターネット境界ゲートウエイでの監査証跡
- [DBA] データベース記憶域構造の管理
- エンジニアが知っておくべき4つのデータベース攻撃シナリオ