社内コンテンツ利用をめぐる、社員とIT部門のいたちごっこを防ぐためには
Cloud Syncの設定
Cloud Syncの設定は簡単です。ここではシナリオとして、社外のABC商会という取引先との情報共有のために、社内のAlfrescoにある“共有フォルダ”内のコンテンツをCloud Syncを使って共有する例を紹介します。
まずは、Alfresco in the cloud側にABC商会用のサイトを作成します。これはオンプレミス版のAlfresco Oneと操作は同じです。
サイトを作成したら、このサイトにABC商会のユーザーを招待します。ユーザーのメールアドレスを入力し、サイトでの役割(ロール)を設定し、招待のメッセージを入力後、“招待する”をクリックすると、設定したメールアドレス宛に招待メールが送られます。メールを受け取ったユーザーは、メールに書いてあるリンク先からこの招待されたサイト(この場合は“ABC商会”サイト)にアクセスすることができます。
これで、社外ユーザー側が参照できるAlfresco in the cloudの設定が完了しました。
ここからは共有の設定を行います。共有に関する全ての設定はオンプレミス側から行います。まずは、ユーザーのプロファイルのページの“Cloudとの同期”で、Cloud Syncで利用するAlfresco in the cloudのアカウントを設定します。
次に情報を共有するコンテンツがあるサイトのフォルダ、または文書のアクションから、“Cloudと同期”を選択します。
共有するクラウドネットワークドメインと、サイト、およびそのドキュメントライブラリのパスを指定します。フォルダを同期した場合、その下のフォルダも同期の対象にするかを選択することができます。また、“オンプレミスのコピーをロックする”にチェックすると、オンプレミス側のコンテンツはロックされ、他のオンプレミス側のユーザーからコンテンツを変更することができないようにできます。
この時、クラウド側の同期しているコンテンツは、コンテンツを変更し、バージョンを更新することができます。この状態はオンプレミス側でCloudとの同期を解除するまで継続されます。
Cloudとの同期の設定は以上で終わりです。とても簡単に設定、利用できることがわかると思います。
Cloud Syncの同期は、オンプレミス側からクラウド側に対してPushまたはPullする形で行われます。デフォルトではPushは15秒、Pullは60秒で行われます。両方でコンテンツが変更できる場合には競合が発生することもありますが、Alfresco Shareでは、バージョン管理対象となっている全てのコンテンツは上書き保存できないようになっているので、競合したコンテンツはバージョンの違いとして格納されます。競合が起こった後で、優先するものを選択することができます。
外部のユーザーとの共有を終了するには、オンプレミス側で共有しているコンテンツの左上の雲アイコンをクリックするか、右側のメニューから“Cloudとの同期を解除”をクリックします。この時、チェックボックスをチェックして“同期を削除”すると、クラウド側の共有しているコンテンツが削除されます。この時オンプレミス側のコンテンツはそのまま残ります。この機能はプロジェクトが終了して、これ以上必要のないコンテンツを残したくない場合に役立ちます。
次回は最終回になりますが、従来のフォルダ/ファイル階層型の文書管理ではなく、文書が中心のビジネスプロセスをサポートするAlfresco Workdeskをご紹介します。
このコンテンツは、オープンソース総合情報サイト「OSSNews」が提供・監修しています。 「OSSNews」では、オープンソースに関する、最新情報、イベント情報やバージョン情報を掲載しています。 Alfrescoのライセンスや動作環境などのソフトウェア情報もご確認できます。
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