社内コンテンツ利用をめぐる、社員とIT部門のいたちごっこを防ぐためには

2014年1月29日(水)
青地 芳彦

Alfresco in the cloudとCloud Sync

Alfresco in the cloudはパブリッククラウド上でCMIS(Content Management Interoperability Services)準拠のコンテンツ管理サービスを提供しています。企業は自前のインフラを用意しなくても、IT部門の管理下で、企業のコンテンツや、利用するユーザーおよびコンテンツの共有をすぐに開始することができます。オンプレミス版のAlfresco One同様に、バージョン管理、アクセス権管理、検索機能、MS Office/GoogleDocs との連携編集機能などを搭載し、本格的なコンテンツプラットホームになっています。
また、Alfresco in the cloudに対するCMISをベースにしたPublic APIを用意しているので、企業のエンタープライズアプリケーションやモバイルアプリケーションとの連携も可能です。既にAlfrescoではSalesforceとの連携アプリケーションをAppExchangeにて無償で公開しています。

図2:Alfresco in the cloud(ドキュメントのプレビュー画面)(クリックで拡大)

Alfresco in the cloudには3つのサブスクリプション(年間利用料)の形態があります(表1)。

  Alfresco
Free Network
Alfresco
Standard Network
Alfresco
Enterprise Network
概要 無料で始められるコンテンツプラットホームクラウド 小規模事業者向けのコンテンツプラットホームクラウド 中、大規模のサポートを必要とする企業向けのコンテンツプラットホームクラウド
対象ユーザー数 無制限 5人以上 500人以上
初期クラウドストレージ(最大ストレージ) 10GB (10GB) 25GB (500GB) 1TB(無制限)
ファイルサイズの制限 50MB 2GB 2GB
クラウドサイトの管理 ×
サポート ×(なし) ○(9-5時、営業時間内オンライン) ○(24x365、オンラインおよび電話)
費用 無料 $49/月
追加ユーザーは1人当たり$9/月
Alfresco営業担当までお問い合わせください。
Active Directory/LDAP
インテグレーション(SAML SSO)
× △(オプション)
Cloud Sync ×
ブランディング
(企業ロゴの設定)
×
WebDAVアクセス ×
表1:Alfresco in the cloudのサブスクリプション

※日本円での見積もり/決裁が可能。

Alfresco Free Networkは無料でAlfresco in the cloudを利用することができます。個人データの格納や、少量の文書の共有をすぐに開始したい場合に最適です。初めてAlfresco in the cloud をご利用される場合には、こちらのサイトから申し込むことができます(利用するためには企業のメールアドレスが必要になります)。

企業が利用ユーザーを管理したい場合や、取り扱うコンテンツの量が多い場合には、有料のAlfresco Standard NetworkまたはAlfresco Enterprise Networkを用意しています。

Cloud Syncは、オンプレミスのAlfresco OneとクラウドサービスであるAlfresco in the cloudのコンテンツを、属性情報を保ったまま同期することが可能です。そのため、クラウドには取引先のユーザーを登録しておき、共有したいコンテンツをCloud Syncを使って同期することで、社外のユーザーが社内のコンテンツサーバーにアクセスすることなく、情報をセキュアに共有することができます。

取引先のユーザーがコンテンツをアップデートした場合でも、Cloud Syncによって自動的に社内のAlfresco内のコンテンツも更新されます。企業のIT管理者も、共有されたコンテンツと、ユーザーをIT部門の管理下に置くことができるので安心です。なお、Cloud SyncはAlfresco Community EditionとAlfresco in the cloudの間では利用できません。

図3:Alfresco in the cloudでの外部ユーザーの管理(Alfresco in the cloudでは社内ユーザーと外部ユーザーをドメインで区別)(クリックで拡大)

次の章では、Alfresco OneとAlfresco in the cloud間を共有するためのCloud Syncの設定方法について説明します。

アルフレスコ・ジャパン株式会社 ソリューションエンジニア
AppleのWebObjectsに影響を受けてからJavaを中心としたエンタープライズミドルウェア、フレームワーク製品のSEとして従事。2008年からコンテンツ管理、イメージキャプチャープラットホーム製品に携わる。
デザインパターンやパフォーマンスチューニングに関心がある。

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