「BudgetRunner」の構成と導入方法
皆さん、こんにちは。クロスキャットの平井です。連載の最終回となる今回は、「BudgetRunner」の構成と導入方法についてお話させていただきます。
「BudgetRunner」の構成
連載第1回でも簡単にご紹介しましたが、「BudgetRunner」を利用することで、フルオープンソースで予算管理システムを構築することができます。下の図は、クラウド版CC-BudgetRunner(クロスキャットがSaaSとして提供している予算管理サービス)の構成図です。
まず、予算編成の際に予算入力・承認を行う画面はphpで開発されています。このphpプログラムは、アプリケーションサーバApache Tomcatの上で動作します。入力された予算データは、データベースPostgreSQLに格納されます。
Jaspersoftの構成
一方、予実管理で使用されるレポートは、Jaspersoftで開発されています。Jaspersoftは、オープンソースのBIスイートで、経営者向けのレポートデザインと画面表示機能、簡易レポート作成機能、一覧性を良くするダッシュボード機能、OLAP(Online Analytical Processing:多次元分析処理)分析機能、ETL(Extract/Transform/Load:データの抽出、変更・加工、ロード)機能を備えています。下の図は、Jaspersoftの全体像を表しています。
この中で、クラウド版CC-BudgetRunnerの予実管理レポートは、JasperReports Server(Jasper Server)で動作しています。また、実績データの取り込みには、Jaspersoft ETL(Jasper ETL)が使用されています。
「BudgetRunner」のマスターファイル
「BudgetRunner」の導入にあたっては、いくつかのマスターファイルを設定する必要があります。その中でも重要なものは、申請科目マスター、部門マスター、ユーザ・マスターの3つです。
申請科目マスターでは、予算入力を行う際に表示される科目リストの内容を指定します。「BudgetRunner」では、この科目リストを3種類まで定義することができます。
部門マスターには、部門コードと部門名を設定します。また、部門毎に操作権限を指定します。操作権限には、一般と管理者があります。一般は「予算入力」と自部門の予実レポートの閲覧を行うことができます。管理者は、それに加えて、「予算承認」と全部門の予実レポートの閲覧を行うことができます。
部門マスターでは、もう一つ、部門毎に科目リストを指定します。科目リストは、申請科目マスターで定義したもので、これを指定することで、各部門で予算入力を行う際に表示される申請項目の組み合わせが決定されます。
ユーザ・マスターには、ユーザIDとユーザ名を設定します。また、ユーザ毎に所属部門を指定します。ここで指定された所属部門に従って、部門マスターで設定されている権限が、ログインした際に付与されることになります。また同時に、部門マスターで指定されている科目リストが、予算入力を行う際に表示されることになります。
このように、「BudgetRunner」を利用することで、フルオープンソースで予算管理システムを構築することができますから、システムを自社開発することがある程度できる会社であれば、自力で予算管理システムを構築することができます。
また、自社開発が難しい会社であれば、クロスキャットがOSS「BudgerRunner」を利用した予算管理システム構築サービス(オンプレミス版CC-BudgetRunner)を提供していますので、ご検討ください。
それでは皆さん、またどこかでお会いしましょう!
このコンテンツは、オープンソース総合情報サイト「OSSNews」が提供・監修しています。 「OSSNews」では、オープンソースに関する、最新情報、イベント情報やバージョン情報を掲載しています。 BudgetRunnerのライセンスや動作環境などのソフトウェア情報もご確認できます。
【参考リンク】
(リンク先最終アクセス:2013.12)
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